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湾岸諸国がイエメンの武装勢力を空爆:識者はこうみる

湾岸諸国がイエメンの武装勢力を空爆:識者はこうみる 

 [東京 26日 ロイター] – サウジアラビアなど湾岸諸国がイエメン暫定政府の要請に応え、イスラム教シーア派系の武装組織「フーシ派」に対する空爆を開始した。これを受けて原油先物が上昇する一方で、東京株式市場では日経平均が前日比で一時349円安と大幅に反落した。

 市場関係者の見方は以下の通り。

 <みずほ証券 投資情報部長 倉持靖彦氏>

 イエメン問題の深刻具合がどの程度か判断しづらいが、現時点のマーケットの値動きを判断する限り、地政学リスクの高まりは後付けという印象。日経平均は300円超の下げとなったが、前日の米ダウ.DJIも300ドル近い下げとなっている。米景気減速が想定以上との懸念が広がる中で、日米金融政策の格差を背景とする円売りポジションがアンワインドされ、円高進行による来期企業業績への影響が警戒された側面もある。それにイエメン問題が加わり、日本株の利食い売りを膨らませたのだろう。

 今後のポイントは原油価格の動向だ。イエメン問題を受けて原油価格が上昇しているが、現時点ではショートの巻き戻しに過ぎないとみている。ただ地政学リスクの高まりを意識して米原油先物CLc1が戻り高値近辺の54ドル前後を上抜いてくるようだと一段と警戒感が強まるだろう。

 <三井住友銀行 シニアグローバルマーケッツアナリスト 岡川聡氏>

 サウジと湾岸諸国がイエメンの反体制派に対し空爆を開始したと伝えられたが、石油価格や為替への影響は限定的ではないか。

 金融市場の関心は、中東での産油能力への影響の有無に向かうだろう。石油在庫が足りなくなる場合、調整弁になれる国の産出力が低下することは、世界経済にとってリスク要因となる。

 ただ、中東で大きな産油余力を持つ国は、リビア、イラク、サウジであり、イエメンではない。しかも、イエメンの反体制派は、現政権への対抗で旗揚げしたのであり、サウジへの対抗ではない。仮にイエメンの反体制派がサウジに攻撃を仕掛けたとしても、サウジの油田は北部にあり、南部に位置するイエメンから深刻なダメージを与えるのは容易ではない。

 イエメンは紅海の端に位置するため、スエズ運河を通るタンカーへの影響が出るリスクもあるかもしれない。ただ、足元で原油は供給過剰でもあり、直ちに大きな問題になるとは想定しにくい。

 Thomson Reuters 2015 All rights reserved.

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