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焦点:ユーロとドラクマ併用論浮上、資金難のギリシャで苦肉の策
[ブリュッセル 27日 ロイター] – ギリシャ政府は支援の見返りに実施する改革案を債権団に提出したが、合意までにはまだ時間がかかりそうだ。
こうしたなか、資金枯渇の可能性に直面するギリシャでは、IOU(借用証書)を発行して国内の支払いに充て、その分節約したユーロで対外債務を返済するという、実質的に「ユーロとドラクマを併用」する苦肉の策が現実味を帯びてきた。
ギリシャは現在、債券市場での資金調達ができず、国際支援機関は改革案の実施開始を見届けるまでは、追加支援には及び腰だ。関係筋が今週、ロイターに明かしたところでは、新たな融資が受けられなければ、ギリシャは4月20日までに資金が枯渇する可能性が高い。
ユーロ圏当局のある関係者は、ロイターに対して「公務員の給与など国内向けの支払いに充てるユーロがなくなった場合には、IOUの発行を開始するという手がある。つまり、将来のある時点に、いくらいくらのユーロをIOUの保有者に支払う、と約束した証書だ」と述べた。
関係者は「そのようにして発行されたIOUは、本物のユーロに対して大幅にディスカウントされた水準で流通、実質的には『通貨』と同じような位置付けになり、ユーロと共存する」と述べた。
<IOUで当座しのぎ>
ギリシャ政府が給与や年金など国内向けの支払いを行うためのユーロに窮するような事態に陥った場合には、ユーロが国外に大量に流出するリスクが高くなる。これを回避するには、資本規制の導入が必要とみられる。2013年のキプロスのように、現金の引き出しや、海外送金が制限される可能性も否定できない。
そこで登場するのがIOUだ。ギリシャ政府は国内向けの支払いをIOU発行でしのぎ、同時に税収で上がってくるユーロを貯めておいて、債務を返済。デフォルト(債務不履行)を回避するという寸法だ。
ユーロ圏の別の関係筋は、IOUについて「債権者との協議がまとまって追加支援が受けられるまでの間の暫定的な措置」と述べた。
ギリシャ政府はこれまでにも、国内向けの支払いを遅らせて債務返済に必要なユーロを確保することに前向きな姿勢を示したことがある。
ギリシャ政府は、ロイターの取材に対して、こうした二重通貨制度に関する質問に回答することを拒否。追加融資に関する国際債権団との合意は、近いうちにまとまる、との見方をあくまでも繰り返した。
(Jan Strupczewski記者 翻訳:吉川彩 編集:加藤京子)