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知らないと損する非常識な確定申告 「白色より青色が得」は嘘?面倒な帳簿をつけなくていい裏技
2014年1月から、個人事業を営む人は例外なく、帳簿をつけなくてはならなくなった(それまでは年間所得300万円超の人のみ記帳義務が課せられていた)。どうせ帳簿をつけるのなら、帳簿をつける代わりに特別控除65万円を認めてくれる青色申告の申請をしたほうがオトクと思ってる人も多いに違いない。ところが、専門家は必ずしも「そうとも限らない」と言う。拙著『会社を辞めてフリーで・個人で独立成功 <かんたん経理・申告・節税>完全マニュアル』(明日香出版社)に掲載した、共著者の税理士・井上栄次氏との“ぶっちゃけトーク”を紹介したい。
●白色申告より青色申告がいいとは限らない?
–青色申告のほうが白色申告よりメリットが多そうですね。
井上栄次氏(以下、井上) 必ずしもそうとは言い切れません。面倒なことが嫌いで、給与を払う専従者が一人もいなければ、無理して青色申告にせず白色申告でいいと思います。
–簿記の知識のない人が苦労して帳簿をつけるくらいなら、白色申告のほうが楽という意味ですか?
井上 いえ、そうではありません。まず、誤解のないように言っておきますと、白色申告でも帳簿をつけなければなりません。
–それならば、ますます青色申告にしたほうが得ではないですか?
井上 そうですが、違いはペナルティーにあります。白色申告者に対する記帳義務の条文だけが追加されましたが、罰則規定は整備されませんでした。つまり、白色申告者が帳簿をつけていなかったとしても、ペナルティーを課しようがないのです。
–それはなぜでしょうか?
井上 例えば、売り上げを意図的に計上しなかった場合や、経費を実際よりも水増ししていたのならば、重加算税などの厳しいペナルティーが課せられます。これは、青色申告でも白色申告でも同じです。ところが、帳簿をつけていなくても申告内容に問題がない場合はどうでしょうか?
もし、青色申告であれば、承認申請書で帳簿をつけることを誓約していますから、青色申告が取り消されたり、65万円控除の特典を過去3年間遡って剥奪、または専従者給与も過去に遡って取り消されることが考えられます。もっとも、実際には過去に遡ってまでのペナルティーは、めったにありませんが。
その点、白色申告の場合は最初からなんの特典も得ていないのですから、ペナルティーを課しようがないのです。それに税務署側も帳簿がなければ調べようがないはずです。
–領収書が山のように入っているダンボール箱を「これが資料です」と差し出したら、税務署の人も精査するのに苦労するかもしれませんね。…