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築24年、8戸の木造アパートを4人家族の戸建てへ“リノベーション”

 築24年、8戸の木造アパートを4人家族の戸建てへ“リノベーション”

 

 “まさかピンクに塗るなんて”

 

 千葉県、JR・京葉臨海鉄道「蘇我駅」から徒歩15分、戸建てと低層アパートがならぶ典型的な郊外の住宅街に『アパートメント・ハウス』はある。築24年、2階建て上階・下階4戸ずつ全8戸の木造アパートを夫婦と子ども2人(9歳・11歳)が暮らす戸建てへリノベーションした。
 
 中に入ると、あっと驚くアーティスティックな空間がひろがる。玄関を入ると、まるで絵画のようにデザインされたLDK。木の色・パステルピンク・水色に塗り分けられたリビング・キッチンの奥に、少しだけ見えるバスルームや扉…迷路のような空間は歩きまわりたくなる魅力に満ちている。
 
 「まさか室内をピンクに塗るとは思いませんでした。でも、今は100%の満足度です」と話すのはオーナーの佐々木さん。当初、佐々木さんは木造アパートを取り壊して新築戸建てを建てる予定だった。
 
 「もとは親が持っていた木造アパートでした。築年数が経って設備変更が必要になってきたタイミングで半分以上が空き部屋だったので、取り壊して新築戸建てを建てようと考えました。広いリビングに大きなテーブルがあること、小さく部屋を区切らないこと、子ども部屋にはリビングを通る間取りであること、できれば平屋、が新築の希望でした。建築家は、シンプルな設計で以前からオープンハウスで見ていた河内一泰さんに依頼しようと決めていました」
 
 新築戸建て希望から一転、木造アパートから戸建てへ――建築家の河内さんはなぜ、リノベーションを選んだのか?

 築24年、8戸の木造アパートを4人家族の戸建てへ“リノベーション”
 
 

 「リノベーション」という言葉を知らない

 

 「今回の予算が2,100万円だったのですが、木造アパートの解体費に200万円程度かかることがわかりました。施工費などから逆算していくと、新築した場合の建物の面積は今の半分になってしまうため、リノベーションを選びました。今回は、8戸というアパートの広い室内空間をいかしながら“空間に穴を開けていく”感覚で住宅ができないかと考えました。現地調査をしたら、構造的に耐震基準をクリアすることもわかり、リノベーションを提案しました」と建築家の河内一泰さん。
 
 木造アパートをリノベーション――新築を希望していた佐々木さんは、提案を聞いてどう思ったのだろう?
 「リノベーションという言葉を知らなかったので、新築じゃないのかと驚きました。ただ、設計プレゼンのときに模型を見て広い空間だなと感じ、悪い印象はありませんでした。河内さんの説明を聞いて、この家づくりは“新しいもの”をつくるのではなく、“新しいこと”をするのだなと感じました。…

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