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追加緩和のタイミング、なぜ見方が分かれる?

追加緩和のタイミング、なぜ見方が分かれる?

[写真]就任してから3年目を迎えている日銀の黒田総裁(ロイター/アフロ)

 追加緩和を期待する声が大きくなっているのは、物価の上昇率が実質的にゼロになってしまったからです。量的緩和策がスタートした当初は、比較的順調に物価が上がっていました。2013年4月時点における消費者物価指数(代表的な指標である「生鮮食品を除く総合」)は前年同月比マイナス0.4%でしたが、量的緩和策がスタートすると物価は上昇を開始し、消費税を増税した2014年4月にはプラス1.5%(消費税の影響除く)に達しています。ところが、その後、物価上昇率はじわじわと低下し、2015年1月にはプラス0.2%に、2月にはとうとうゼロ%になってしまいました。

 物価上昇率の鈍化は原油安の影響といわれていますが、それだけが原因ではありません。これまで物価上昇の原動力だった円安の影響が薄れてきていることが大きく関係していると考えられます。

 日銀の黒田総裁は3月の記者会見において「2%の物価目標を2年程度で実現する」という従来の方針を堅持する姿勢を強調しました。4月8日の金融政策決定会合においても、物価に対する見通しを維持し、従来の政策に変更がないことを確認しています。

 日銀が示す物価目標は「2年程度」という緩やかなものであり、具体的には2015年度中と解釈されています。したがって、今、物価上昇率がゼロになったからといって、ただちに目標未達ということにはならないかもしれません。しかしながら、現実に量的緩和策は3年目に入ろうとしており、目標とのズレが大きくなっていることは確実です。黒田総裁が追加緩和の条件として掲げているのは「物価目標のシナリオが大きく狂う」場合ですが、そのまま解釈すれば、2015年度中に目標に達しないと判断された時点で追加緩和に踏み切るということになります。

 しかし、これ以上の緩和はできるだけ避けたいというのが日銀のホンネでしょう。黒田総裁は、過度な量的緩和が財政ファイナンスと認識されることを警戒しており、政府に対して財政再建に積極的に取り組むよう要請しています。しかし政府はまだ財政再建についてのメドを立てられない状況が続いています。また追加緩和を実施すれば、円安がさらに進行する可能性が高いですが、産業界には、これ以上の円安を望まない声もあります。

 一方、安倍首相は、物価目標の達成がうまくいかなかった場合には、日銀は説明責任を負うと述べており、あくまで量的緩和策によって物価目標を実現することを強く望んでいるようです。

 このような状況ですから、専門家の間でも、追加緩和の有無や時期については見解が分かれています。しばらくの間、物価や株価の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(The Capital Tribune Japan)

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