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<高浜原発>「驚いている」…地元の高浜町で戸惑いの声も
◇福井地裁が再稼働差し止めの仮処分決定
福井地裁が、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜市)の再稼働を差し止める仮処分を決定した14日、地元の高浜町では住民らが戸惑いを口にした。福井県内の首長も複雑な反応を見せた。
高浜町商工会の田中康隆副会長は「原子力は国家事業で、共存共栄を図ってきた。原発が再稼働すれば町の経済が活性化すると思っていたので、決定に驚いている」と話した。
釣り船業者の児玉巧さん(67)は「原発に『絶対安全』はないが、科学的にはいろんな議論があり、司法判断も絶対ではないかもしれない。再稼働はできないという現実しかない」。農業の男性(66)は「裁判所が技術的な事柄を判断できるか疑問もあるが、三権分立の下で中立的な立場で示したのなら、意味のある判断と言わねばならない」と語った。
高浜町の野瀬豊町長は「司法という異なる土俵での判断。新規制基準や法にのっとり進めることに変わりはない」と述べ、再稼働を巡る町の判断には、ほとんど影響しないとの認識を示した。
西川一誠知事は「司法の判断で申し上げる立場にない。これまで通り、安全確保を最優先に慎重に対応していく」とする談話を発表した。大飯原発が立地するおおい町の町長でもある中塚寛・福井県原子力発電所所在市町協議会会長は「原子力政策に多大な影響を及ぼす可能性が危惧され、慎重かつ十分な審理が尽くされたのか疑問を感じる」とのコメントを出した。
周辺の自治体にも波紋が広がった。
滋賀県の三日月大造知事は「人格権に重きを置いた決定。県が主張してきた『実効性ある多重防護体制の構築』『万一の事態に備えた対策の必要性』とも相通じる。重大な問題提起だ」と評価した。
舞鶴市の一部が5キロ圏内に入る京都府。多々見良三・舞鶴市長と山田啓二知事は「国や事業者は国民に丁寧な説明を行う必要がある」とする趣旨のコメントを出したが、直接の評価は避けた。府の担当者は「司法判断に左右されず、関電との協定に基づく地域協議会で安全性を確認していく」と語った。【松野和生、山衛守剛、鈴木健太郎、加藤明子、藤田文亮】