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[FT]インド、レイプ告発番組が映す女性蔑視の現実
理学療法を学ぶ若い女性がデリーのバスの中で集団レイプされ、殺害された事件がインドを揺るがしてから9カ月後、ボリウッド映画の人気女優、カルキ・ケクランさんは「Rape : It’s your fault(レイプ:それはあなたの責任)」と題した風刺動画を制作した。
ケクランさんはブラックユーモアたっぷりの3分半の動画で、女性に対する暴力の増加は都市部の女性とその振る舞いのせいだとする、インドにまん延する男性優位の態度――インドの公人が公然と表す態度――を嘲笑した。
抗議する女性ら。1月に起きた別のレイプ殺害事件は警察の怠慢だとしてデモが行われた(1月13日、ニューデリー)=AP
そして今度は、英国放送協会(BBC)が2012年の悪名高いレイプ事件で有罪判決を受けた男の1人が持つ男性優越主義的な考え方を暴くドキュメンタリー番組を制作・放送した。インド政府がこの番組のさらなる放送を阻止しようと躍起になっている。
英国で3月4日夜に放送された番組「India’s daughter(インドの娘)」の中で、襲撃事件に加担した罪で死刑判決を受けたムケシュ・シン被告は反省の色も見せず、被害女性は夜に外出したり、暴行に抵抗したりすべきでなかったと言って、死の責任は本人にあるとした。
「レイプについては、男子より女子の方にずっと大きな責任がある」。ニューデリーのティハール刑務所で撮影されたぞっとするようなインタビューで、シン被告は英国人ディレクターのレスリー・ウドウィン氏にこう語った。「まともな若い女は夜9時に出歩いたりしない」
シン被告は被害女性の死を「事故」と呼び、さらにこう付け加えた。「レイプされているときに女は反撃すべきではない。ただ静かにして、レイプを許せばいいんだ」
■インド政府、「中傷」だと激怒
ナレンドラ・モディ首相率いるインド政府は、インドの少女、女性の扱いというデリケートな問題にスポットライトを当てられたことに激怒し、同番組はインドを中傷し、インドの国際的な評判をおとしめようとする陰謀だと糾弾した。
番組を制作したウドウィン氏。女性を暴行で死に至らせた被告が反省していないことに衝撃を受けたという(3日、ニューデリー)=AP
ニューデリー警察は、インドのテレビ局がドキュメンタリー番組やシン被告とのインタビューを放送することを禁じる裁判所命令を得た。シン被告は死刑判決に対して控訴しており、最高裁判所の審理を待っているところだ。また、デリー警察は番組と関連して暫定的な刑事訴訟を起こしたが、まだ逮捕者は出ていない。
インドの外務省と情報省は、国外での番組放映を阻止するために対策を講じるよう要請された。ベンカイア・ナイドゥ都市開発相は「インドの名誉を国際的に毀損するインタビューは到底受け入れられない」と述べた。ラジナト・シン内相は、シン被告の発言を「女性の尊厳に対する侮辱だ」と語った。