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【天文/惑星科学】木星の衛星ガニメデに奇妙な膨れ発見、海の証拠か 極地から赤道へ膨らみが移動していた可能性
掲載日:2015年3月31日
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/033000021/
ガニメデの外殻の膨らみは厚い氷でできていると考えられ、海を覆う氷の外殻が、それ以外の部分に対して
回転していたことの証拠となるかもしれない。(PHOTOGRAPH BY NASA)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/033000021/ph_thumb.jpg
木星の衛星ガニメデの直径は5000km強で、太陽系最大の衛星だ。今回、この衛星の赤道に、直径600km、高さ3km
もある奇妙な出っ張り(バルジ)が見つかった。広さはエクアドルと同じくらい、高さはキリマンジャロの約半分だ。
ガニメデにこんな地形が見つかるとは、専門家も予想していなかった。
月惑星研究所(米国ヒューストン)の惑星科学者ポール・シェンク氏は、「ガニメデの全体の地図を作っているときに、
偶然、発見しました」と言う。彼は、3月20日の月惑星科学会議で、この奇妙な地形について報告した。
ガニメデのバルジは厚い氷でできていると考えられ、その大きさと位置は、太古の昔、ガニメデの氷の外殻が
内部とは別に回転していたことを示している。
ガニメデ(左)と月(右)。木星の衛星ガニメデの外周は月の1.5倍もあり、太陽系で最大の衛星だ。
(NG STAFF SOURCE: NASA/JPL)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/033000021/ganymede.jpg
外側から氷の外殻、液体の海、内部の層。ガニメデの氷の外殻の下には液体の海があると考えられる。
(各層の厚みの比率は実際とは異なる)(NG STAFF SOURCE: NASA/JPL)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/033000021/layers.jpg
氷の外殻は、その下にある液体の海とは独立して回転する。(各層の厚みの比率は実際とは異なる)
(NG STAFF SOURCE: NASA/JPL)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/033000021/ICY.gif
シェンク氏の推測によると、バルジはガニメデの南極か北極で成長を始めたという。バルジが大きくなると、
その重さのせいで位置がずれ始めた。ガニメデの内部はそのままで、海を覆う氷の外殻だけがスライドしたのだ。
やがて、かつて極を覆っていたバルジ部分は赤道に落ち着いた。
「このバルジは既知の地質活動とは無関係です。だとすると、これだけ大きい塊が形成される場所は北極か南極しか
ありません」とシェンク氏は言う。「極地方は常に低温なので、ここの氷殻はかなりの厚さになります」
地球上ではこんなことは起こらない。地殻の下にあるものの位置関係が変わらないまま、北極が赤道に移動して
来たようなものだ。
このような氷殻の移動は「真の極移動」と呼ばれ、ガニメデの外殻と内部の層の間に衛星全体を覆う海などの
流体がある場合にのみ起こる。さもなければ、氷の外殻が衛星全体に対して移動することは不可能だ。
ガニメデのバルジが推測どおり南極か北極で誕生したもので、その現在の位置が極移動によって説明できるなら、
反対側にも同様のバルジが見られるだろう。「次の探査機が到着したときに、それが見つかることを期待しています」
とシェンク氏は言う。