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「誰に対して何を提供して、どうなってもらうか」シナリオから考えるコンテンツ作成プロセス

 「誰に対して何を提供して、どうなってもらうか」シナリオから考えるコンテンツ作成プロセス

 前回の連載では、コンテンツ企画の成り立ちや考え方を事例を交えながら紹介しました。これは、いわばタネを見つけ、膨らませるプロセスです。実際に、コンテンツが企画化するためには、最後の仕上げとして「整える」というステップが必要となります。具体的には、コンテンツのアイディアをブランド(企業や製品やサービス)につなげることが、最後のステップとして必要となります。本稿では、膨らませたコンテンツアイディアをどのように企業や製品やサービスとつなげればよいのかを具体的に説明していきましょう。
 
 ■「MRC」シナリオ/「IC」シナリオ
 
  コンテンツアイディアを企業や製品やサービスにつなげていく、というのは、別の言葉で言うと、ユーザーがコンテンツを通して企業や製品やサービスとつながるためのストーリーを作るということです。このストーリーは、通常、シナリオと呼ばれます。
 
  このシナリオは、「ユーザーの気持ちや行動の流れの仮説」です。つまり、ユーザーの気持ちや行動の流れを仮説として定義することが、実際に膨らませたコンテンツアイディアを企業や製品やサービスにつなげていくために必要となります。
 
  実は、このシナリオには2種類あります。
 
  1つは、「記憶する」→「あとで思い出す」→「コンバージョンする」というシナリオです。これは、通常の広告の根底に流れている考え方です。カスタマーに、広告物を通してブランドを記憶し、後で思い出して購入する、というシナリオです。
 
  たとえば、「春はあげもの」という広告物を見たカスタマーが、店頭でおいしそうなあげものとハイボールの組み合わせを思い出してウイスキーを買う…という流れが当てはまります。こうしたシナリオを、仮に「MRC」シナリオと呼びましょう(Memorize=記憶する、Recall=思い出す、Conversion=コンバージョンする)。
 
  もう一つは、「興味を持つ」→「コンバージョンする」というシナリオです。たとえば、Webサイト上で健康食品に興味を持って、そのまま購入ボタンを押して購入する、といったシナリオが当てはまります。デジタル上で興味喚起してコンバージョンする、という意味で、「IC」シナリオと呼びましょう。(Interest=興味喚起、Conversion=コンバージョン)
 2つのシナリオ
 
  コンテンツマーケティングにおけるシナリオは、一般的には、デジタルコンバージョンをゴールとする「IC」が強調されますが、実際問題、コンテンツに触れて興味喚起してすぐにアクションする場合ばかりではなく、何度も触れているうちに記憶し、後になって思いだしコンバージョンする場合も多々ありますので、シナリオを考える際には、この「MRC」と「IC」の両方の視点で考えるべきなのでご注意ください。

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