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サイエンスアゴラが東京お台場で開幕
国内で最大級の科学イベント「サイエンスアゴラ」が11月7日から9日の3日間、東京のお台場で開催された。同イベントは科学技術振興機構が主催したもので、大学や研究所、博物館、学会も関わって約200の企画があり、実験教室や科学ショーもあり、誰でも参加できて、身近な科学や技術に親しみ楽しめる。
写真1. 開幕セッションのシンポジウム「あなたと創るこれからの科学と社会」のパネル討論
写真2. 日本科学未来館1階に掲げられたサイエンスアゴラ2014の看板
写真3. 研究の面白さを実験で見せる研究者たち
写真4. ここまできた! iPS細胞の世界の展示
9回目の今年のテーマは「あなたと創るこれからの科学と社会」。初めて、会期を週末2日間から3日間に延ばして金曜を加え、研究者や産業界、政策決定者ら科学技術関係者が一堂に集まれるようにした。中心会場の日本科学未来館ホールで開幕セッションが初日の7日午前、国際シンポジウムとして開催され、約200人が参加した。
まず、科学技術振興機構の中村道治理事長が「社会と科学をつなぐこの広場(アゴラはギリシャ語で広場の意味)で社会の中の科学を一層深めていきたい。今年は大学や行政、産業界にも声をかけ、海外の著名な専門家にも参加してもらい、新しい一歩を踏み出した」とあいさつした。来賓として中国科学技術協会国際交流部の陳剣事務局長が「中国もイノベーションを推進するとともに、国民の科学リテラシー向上を目指している」と語った。
シンポジウムでは、ニュージーランド政府のピーター・グルックマン主席科学顧問が基調講演で「科学は社会の信頼を勝ち取らねばならない。科学と社会の関係も変わってきた。科学の民主化、質の確保、透明性が必要になっている」と指摘した。その後、6人によるパネル討論があり、「科学と社会の整合性をとろう」「アゴラの議論で何かを変えたという実績を」「みんながつながって科学を良くする広場にしよう」という提言が相次いだ。
会場には、全国各地の研究者が手弁当で駆けつけ、それぞれ独自の展示をして、社会に伝えようとする草の根からの息吹が感じとれた。日本人3教授のノーベル物理学賞決定で関心が高い青色発光ダイオード(LED)をめぐる研究支援の裏話も披露された。また、転機を迎える科学や、競争的研究資金とイノベーションの関連を探るシンポジウムが開かれた。
会場を回るのが大変なほど盛りだくさんの企画が並んだ。「歩き方であなたを測定する」や「空気をタッチパネルにする」など、最新の成果をわかりやすく紹介したコーナーには多くの人が訪れていた。女性研究者からのメッセージがあふれる「輝け!世界で活躍する女性研究者たち」も人気だった。「見たい」「聞きたい」「作りたい」などの子どもたちの思いにも応える企画が多く、あちこちで歓声がわき起こっていた。