仕事で役立つ人気ビジネスアプリおすすめ!
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ホンダ、白金以上に高価な「ロジウム」を減らした触媒を開発して新車に搭載
本田技研工業(ホンダ)は9月6日、マフラーの触媒に使用される貴金属の1つであるロジウムの使用量を50%低減した新触媒を開発したと発表した。この新触媒は、米国で2012年9月19日から発売される北米仕様の新型「アコード」から採用され、順次採用車種の拡大を目指す予定だ(日本国内での採用車種については未発表)。
触媒に使用されるプラチナ、ロジウム、パラジウムなどの貴金属は、世界の自動車生産台数の増加と世界的な排出ガス規制の強化を背景に、今後も需要の高まりが予想されている。同社は、これまでにも触媒に使用される貴金属の低減に取り組んでおり、すでにプラチナをまったく使用しない触媒を実用化し、北米仕様の現行アコードより採用している。
今回の新触媒では、排出ガスの還元浄化性能に優れるロジウムの一部を、酸素の吸放出速度を高めたパラジウムに代替えすることで(画像1・2)、現行アコードに対してロジウムの使用量を50%低減、貴金属の総使用量としても22%低減した。
画像1(左)は従来触媒で、画像2が今回の新触媒。パラジウムは浄化性能(酸化と還元の速度)が不足しているため、これまでは浄化性能が高いロジウムが必要だった。それに対し、今回の新触媒はパラジウムの浄化性能を向上させたことで、浄化性能が高いが非常に高価なロジウムの一部代替えが可能となった。(c) 本田技研工業
これにより世界有数の厳しい排出ガス規制である米国カリフォルニア州の低公害車基準LEVII法規のSULEVカテゴリーに適合させながら、新触媒のコストも37%削減することに成功した形だ。
ちなみに、貴金属を貴金属で置き換えて意味があるのかと疑問に思う方もいるだろう。ところが、パラジウムとロジウムでは価格が違うため、ロジウムをパラジウムに置き換えることに意味がある。
海外のサイトだが、KITCOによれば、パラジウムは2012年9月6日時点で、1トロイオンス当たり約644ドル。1トロイオンス=約31.1g(通常のオンス=28.35gとは異なる)で、9月7日時点のドル-円のレートは1ドル78.9円なので、ざっくりとした計算では1g当たり日本円では1630円強となる。
一方のロジウムは1トロイオンス=約1150ドルなので、ざっくりとした計算で1g当たり2920円弱。ロジウムはパラジウムの倍近い価格なのである。ちなみにプラチナは1g当たり4000円弱、金は4300円強。ちなみに、ロジウムの方がプラチナな金よりも遙かに高かった時期もある。
同じ貴金属でも価格が異なるのは、地殻存在度(埋蔵量)が異なるからで、パラジウムの方がロジウムよりも多いと推測されている。資料にもよるが、パラジウムはロジウムの2~5倍はあるという見積もりだ。
こうした理由から、今後も自動車のボディから貴金属を減らす、もしくはより安価な貴金属へと移る方向での開発が進んでいくと思われる。