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ルネサス、USB高速充電に対応するUSB BC 1.2準拠の16ビットマイコンを発売
ルネサス エレクトロニクスは10月25日、USB高速充電に対応するUSB Battery Charging Specification Revision 1.2(USB BC 1.2)準拠のUSBホスト/ファンクション機能を内蔵した16ビットマイコン「RL78/G1C」グループ8品種を発表した。
USBは近年、様々な分野の機器で広く利用されるようになっており、USB端子からの充電ニーズも高まっている。しかし、従来のUSB2.0仕様で定義されているUSBポートでは、500mAよりも大きい電流を使用することができず、高速充電には対応できなかった。このため、充電時に最大1.5Aを使用できるUSB BC 1.2仕様への対応が望まれていた。
ルネサスでは、すでにUSB2.0に対応した16ビットマイコンを量産中だが、このような市場ニーズに対応し、USB BC 1.2仕様の「RL78/G1C」グループを今回製品化した。なお、「RL78」ファミリは、既存の「78K」と「R8C」を統合した次世代マイコンであり、システム全体での低電力化やシステム構築にかかるトータルコストの低減に寄与する製品群と位置づけられている。今回の「RL78/G1Cグループ」の投入により、機器の低消費電力化できるとともに、「RL78」ファミリとしても、USBバッテリーチャージング機能搭載製品の追加による幅広いラインアップの提供が可能となったと同社では説明する。
「RL78/G1C」グループの主な特長は3つ。1つ目は、USB BC 1.2仕様準拠16ビットマイコンであること。充電時に最大1.5Aを使用できるUSB BC 1.2に準拠したバッテリーチャージング機能を持つUSBポートを搭載。これにより、同製品1個でUSB通信とバッテリー高速充電に対応できるため、USB充電/給電システムの低コスト化が図れるようになるという。
2つ目は「RL78」ファミリの採用による低消費電力マイコンを実現。低消費電力と高速演算性能を両立した同社のCPU「RL78」を採用したことにより、USB動作時の消費電流を従来製品の「R8C/USB」、「78K0R/USB」に比べて、約40~60%削減することが可能になるとしている。
3つ目はUSBホスト機能を搭載し、広範囲なアプリケーションに対応すること。Full-Speed/Low-Speed双方に対応したUSBホスト機能をUSBファンクション機能に加え搭載した。このため、USBメモリをはじめ市販のキーボードやマウスを活用するシステムにも対応できる。また、「RL78」ファミリでは初めてUSB機能を内蔵しており、他の「RL78」を使用した別システムからの展開も容易にできるようになっている。さらに、「RL78」ファミリの既存の内蔵周辺機能に加え、新たにUSB機能を取り込んだことで、従来以上の部品点数削減が可能となり、システムコスト低減および小型化が可能になるという。
応用機器としては、スマートフォンアクセサリなどのポータブル機器、ヘルスケア機器(コンティニュア通信対応機器など)、USB充電機器やAV機器のアクセサリなどの民生機器、データロガーやファームウェアアップデート更新などの産業機器などが想定されている。
なお、同製品群はすでにサンプル出荷を開始している。サンプル価格は、USBファンクションを搭載した7mm角の32ピンLQFPパッケージの「R5F10KBCAFP」が250円。量産は2013年3月から順次開始し、2014年3月には月産100万個を計画している。
USB BC 1.2準拠の16ビットマイコン「RL78/G1C」グループ