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ロシアの新宇宙基地建設、絶賛難航中
電気代未納で電力が止まるなど。
ロシアでは今、ソ連崩壊後初の新宇宙基地を建設中です。そしてそれは、なかなか大変なことになっています。ソ連がなくなってからの20年間、ロシアはカザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地を使ってきました。が、それには高額な租借料を払う必要があり、しかもソ連の宇宙開発初期から使われている基地なので老朽化も進んでいます。またそもそも宇宙基地のような重要施設を自国で抱えていないこと自体、モスクワでは問題視されています。
というわけで、ロシアはバイコヌールのはるか東、ボストチヌイに新宇宙基地を作っています。そこなら運営にいちいちカザフスタンの協力を仰ぐ必要もなく、海に近い場所なので着陸もしやすくなると期待されています。総予算24億ドル(約2,900億円)で2011年に着工し、最初の有人宇宙船打上げは2018年とされています。プーチン大統領も乗り気で予算も潤沢とあれば、うまくいかないはずがない、と思われました。が、実際は全然違います。
まずこのプロジェクトは、いろいろな理由で遅れています。たとえばシベリアの冬が寒すぎるとか、僻地にあるので物資供給が滞っているとか、作業員が確保できないなどなどです。わりと最初の計画段階で予想できそうな要因ですが…。Russian Space Webではボストチヌイの問題点を詳しく伝えており、中にはロシアの学生が建設現場で働くためにトラックで運ばれてくるというエピソードもあります。
いつものことながら、2015年2月1日からロシア政府は200人の冬期学生部隊を組織し、ボストチヌイでの単純労働力としている。ただしその種の集団が使われるのは、通常なら夏期だけだ。公式プレスリリースでは、その部隊に参加する学生が休学する必要があるかどうかについて述べていない。ロシア連邦宇宙局によれば、2015年夏には1,200人もの学生がボストチヌイで働く予定になっている。
これだけじゃなく、お約束の建設汚職も発覚してます。去年、ボストチヌイの建設管理者がプロジェクトから数百万ドル(数億円相当)を横領したとして逮捕されました。ロシアのドミトリー・ロゴジン副首相が事態収拾にあたり、いかなる「たるみ」も見逃すまいと誰でもアクセスできるWebカメラまで設置しました。実際ここで見られます。ロゴジン副首相は、建設が「最終段階」に入ったとツイートしています。
Cosmodrome Vostochny construction is entering its final stage. Largely thanks to strong-willed decisions pic.twitter.com/M4ShAartvH
— Dmitry Rogozin (@DRogozin) 2015, 2月 27動画を見る
でも先週のモスクワタイムズによれば、建設業者が電気料金を払っていなかったために建設現場の電力供給が止められたようです。…