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円周率、仏エンジニアが1台のPCを用いて2兆6999億9999万桁まで計算
フランス人のエンジニアでLZEXEやffmpegの原作者としても知られるFabrice Bellard氏は1月6日、2009年12月31日まで131日かけて行った円周率計算の桁数が世界記録を更新したことを自身のWebサイト上にて明らかにした。
これまでの世界記録は筑波大学の計算科学研究センターが、同大のスーパーコンピュータ「T2K筑波システム」を用いて、主計算を2009年4月9日7時37分32秒から同4月10日12時43分21秒までの29時間5分49秒で実施、検証計算を同4月27日9時35分36秒から同4月29日18時6分9秒までの44時間30分33秒で実施した、合計73時間36分25秒による小数点以下2兆5769億8037万桁となっていた。
同氏はCPUにCore i7(2.93GHz)、6GBのRAM、1.5TBのHDDを5台(Seagate Barracuda 7200.11)用いた1台のPCを用いて、主計算に103日、検証計算に13日、16進数から10進数への変換に12日、16進から10進への変換の検証に3日の合計131日を費やし、結果として従来よりおよそ1,230億桁多い2兆6,999億9,999万桁(10進数)の演算を行った。なお、検証計算はネットワーク上にある9台のデスクトップPCを用いた場合は34時間で終了したという。
演算方式はChudnovskyの公式を用い、その後、計算結果を10進数に変換を行っている。検証計算には円周率の16進数表示のd桁目をピンポイントに求めることが可能なBailey-Borwein-Plouffe(BBP)公式を採用し、16進数の最終50桁のみを行った。
Chudnovskyの公式
なお、今回の計算に用いられたPCの費用は2,000ユーロ(約27万円)未満となっている。同氏は、今回の演算結果により、Chudnovskyの公式の理論上の実行時間とメモリ使用量の研究やネットワークPC/メニーコアCPUを用いた計算速度の向上、円周率演算時のメモリ使用量の削減手法といった今後の問題を確認できたとしている。