日本NI、回路シミュレーションソフトウェアの最新版を発表

　

　米National Instruments(NI)の日本法人である日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は1月26日、同社の回路シミュレーションソフトウェアの最新版となる「Multisim 11」の販売を開始したことを発表した。

　回路シミュレーションソフトウェア「Multisim 11」の使用イメージ

　同ソフトは、グラフィカルなプログラミング手法を採用しており、従来の回路シミュレーション方法よりも容易に操作が可能なため、教育者や学生、エンジニアは高度な回路解析技術を活用することが可能となる。

　教育機関向けのMultisim 11には、授業に役立つ機能が搭載されているほか、回路シミュレーションに関する教科書や教材も含まれている。同ソフトウェアと教材のセットを使用することで、対話式・実践式に回路動作を確認し、回路に関する理論を学生に理解させることが可能となる。

　特に、PLD回路からVHDLデータをエクスポートできるため、デジタル回路の説明が簡素化できるほか、教育者の要望に応えたAC単一周波数解析を使って、実践的なエレクトロニクス実験を行うことが可能だ。

　また、教育用のプロトタイプ作成プラットフォーム「NI ELVIS (NI Electronic Laboratory Virtual Instrumentation Suite)」と組み合わせることで、シミュレーションによって得られたデータと実際の計測データとの関連付けを行うことができる。

　一方の企業向けでは、エンジニアが回路設計を最適化したり、エラーを最小限に留めたり、プロトタイプを作りなおす回数を減らしたりするのに役立ち、同社のプリント基板設計ツールの最新版「NI Ultiboard 11」と組み合わせることでMultisimをプロトタイプ作成用プラットフォームとして使用することができるようになる。また、計測ソフトウェア「NI LabVIEW」と組み合わせることで、解析機能を自由に定義し、設計の検査の質を高めることができるようになる。

　企業向けでは、SPICEパーサの機能向上、BSIMモデルのアップデート、高度なパラメータへの対応、デジタルシミュレーションの精度向上などが図られているほか、Multisim回路図からUltiboardレイアウトへのフォワード/バックワードアノテーションやオンページコネクタやWYSIWYGネットネーミングシステムなどの機能を追加、設計した回路図のより快適なやり取りを実現している。

　なお、価格は教育機関向けが6万3,000円から、企業向けが21万7,000円からとなっている。