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創業130周年ボッシュ IoT時代に出した「答え」
ドイツを代表する老舗企業、ボッシュが社内外を巻き込んだ新たな製造業のあり方を探っている。あらゆるモノがインターネットでつながるなか、生産性の向上とサービス収益の拡大をどう両立させ実現するか。キーワードは「コーオペティション(Co-opetition)」だ。ボッシュは「協力」と「競争」の複合語を掲げながら、地平を開こうとしている。
■通信大手と連携
高級車「ジャガー」の最新モデルに採用されたボッシュのインフォテイメントシステム「マイ・スピン」
2月中旬、早朝は氷点下まで冷え込むベルリンに自動車、機械、住宅、通信、IT(情報技術)などあらゆる業界の関係者が国内外から集った。今年で2回目を迎える「ボッシュ・コネクテッドワールド」だ。
2014年はベルリンのホテル内の開催だったが、今回はカンファレンスホールを丸ごと貸し切った。「昨年より熱気がある。かなり手応えは感じている」。準備に奔走した顔見知りの幹部は充実した表情で話してくれた。
主なボッシュの部門
ディーゼルシステム →センサーとクラウドを使った遠隔運行管理 産業機器 →工場内外のネットワーク管理など コネクテッドパーキング →360度対応カメラを使った自動駐車システム モビリティーメディア →独自開発のインフォテイメントシステム セキュリティシステム →ネットワークを使ったホームセキュリティーなど シャシーシステム制御 電動工具 包装 エンジニアリング
(注)→は出展テーマ
スポンサーをみれば「ゴールド」には米シスコシステムズ、米インテル、独SAP、英ボーダフォン。「シルバー」は仏ダッソー・システムズ、米オラクル、インドのインフォシスなどIT、通信の世界大手の名前がずらりと並んだ。
日本では1企業の冠がついたイベントにあっては、系列でもない限り、ここまで集まる例は少ないだろう。ここにインターネット・オブ・シングス(IoT)時代で、ボッシュお得意の「全方位外交」を貫く姿勢がにじむ。
目立つ場所に展示されたのは英高級車「ジャガー」の最新モデル。これにボッシュが独自開発したインフォテイメントシステム「mySPIN(マイ・スピン)」が初めて採用された。車とスマートフォン(スマホ)をUSBケーブルでつなぐ仕組みで、米アップルと米グーグルが手がけるシステムと似ている。英ジャガー・ランドローバーのもう1つのブランド「ランドローバー」にも採用され、来年には別の1社が加わるという。
マイ・スピンは「iOSでもアンドロイドでも使える。それが当社のやり方」(ボッシュ・ソフトテックの幹部、トルステン・ムラスコ氏)。もともと完成車メーカーの系列に属さず、どことも付き合うのがボッシュ流。ただマイ・スピンでは新たな手法も採り入れた。14年秋、ベルリンでの29時間に及ぶ「ハッカソン」で外部の若手エンジニアらも交えた議論を重ね、改良に生かしたという。ムラスコ氏は「人と機械の接し方が今まで以上に重要で、利用者の目線で全体をとらえてサービスを提供できるかが問われる」と語る。供給者側の「囲い込み」の概念は希薄だ。