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第9回 インフラ選びは「アラカルト」派? 「コース料理」派?
仮想化・Software-Definedの次は、今日現在欧米と最も差がついているかもしれない「コンバージド・インフラストラクチャ」について触れていきたいと思います。
ちなみに、HPもすでにコンバージド・インフラストラクチャ製品を販売していますが、日本ではまだほとんど馴染みがない製品と思います。欧米との差を紹介する前に、まずはどういったものか簡単に紹介します。
コンバージド・インフラストラクチャとは、第6回で紹介した「メーカー推奨」を具現化・強化したものです。サーバー、ストレージ、ネットワーク、管理ツールといったオンプレミス基盤で必要な機器が1つにパッケージングされています。言い換えれば“セット物”になります。
クラウドよりも日の浅い、ここ数年の新しい考え方ですが、欧米では注目どころかメーカーが予想する以上の勢いで普及が広がっています。市場成長率は昨対比で30%増。昨年(2014年)くらいからはMicrosoftやVMware、Citrixといったソフトウェアメーカーまでもが参入するほどになりました。
しかしながら、日本での伸びはそれほどではありません。欧米では飛ぶように売れているのに、日本では飛ぶどころか、むしろあまりよい印象を持たれていない状況さえあります。
それはなぜでしょう。日本人は“セット物”と聞くと、「売れ残り」や「抱き合わせ」「福袋」などのよくないイメージを想像してしまうからかもしれません。メディアの記事でも“垂直統合”“ベンダーロックイン”“SIer潰し”などと揶揄の表現も見かけます。
でも、本当に悪いものであれば欧米でここまで普及はしないでしょう。このままだと欧米とのギャップは広がるばかりで、また“ガラパゴス”と言われかねません。追って誤解を解いていきたいと思いますが、どのメーカーも売れ残りなどは採用していません。全く逆で、むしろ最も売れ筋のモデルをパッケージングしています。
●記念日のレストランはアラカルト派? コース料理派?
記念日にレストランへ行ったとしましょう。
注文方法は大きく2つあります。1つは「アラカルト」。前菜、魚料理、肉料理などを単品注文する方法です。もう1つは「コース料理」。よくある“シェフのおすすめコース”では、季節の旬な食材から、前菜、メインディッシュ、デザートに至るまで、一連の料理を構成や順番を考えて提供してくれます。
アラカルトはどちらかというと“食通向け”ですよね。…