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老化防止も 「瞑想」の効用、脳科学が解明
古くからの精神修養法である「瞑想(めいそう)」。世界の主要な宗教で取り入れられ、近年は一般社会でも、座禅やヨガなどが平常心を養い心身の健康を増進させる手段として受け入れられている。瞑想の効用やそのメカニズムが最新の脳科学によって確認されつつある。瞑想を重ねることによって脳の特定の部分の構造や大きさが変化するといった、意外な効果もわかってきた。
瞑想を続けることで脳の構造や大きさが変わる。画像はイメージ(イラスト:Bryan Christie)
■大人でも脳は発達する
かつては成人になった後は、脳細胞は増えないし、脳の構造は大きくは変わらないと考えられていた。しかし実際には、バイオリニストが練習を積むと、脳内で指の動きを制御する領域が成長することにみられるように、経験や訓練によって脳は変化する。同様のことが瞑想の訓練を積むことによっても起こるという。
瞑想者は自分で精神状態を調整して、ある種の内的な充実感を達成しようとする。こうした訓練が、集中力を高めたりストレス解消になったりするのにとどまらず、脳に生理学的な変化が起こることが、大学などの研究で確かめられつつある。
米ハーバード大学の研究グループが磁気共鳴画像法(MRI)を使って、仏教の瞑想法を長期間修行してきた人たちの脳を調べたところ、前頭前皮質の一部(ブロードマン領野9および10)と島皮質における脳組織の体積が、対照群よりも大きくなっていることが明らかになった。脳のこれらの領域は注意や感覚情報の処理といった役割を担っている。この結果は、加齢に伴って脳組織の体積が減る傾向を、瞑想によって抑制できる可能性を示している。
被験者のうち瞑想によるストレス低減の効果が高かったグループを追跡調査したところ、不安処理に関連した部位である扁桃(へんとう)体の体積が減少していたこともわかった。
■ストレス知らずに
瞑想によって、炎症やストレスの要因を分子レベルで低下させられることを示す証拠も挙がりつつある。米ウィスコンシン大学などの研究グループは、仏教の瞑想法の1つであるマインドフルネス訓練を集中的に行うことで、特に瞑想の経験が豊富な人の場合、炎症に関係した遺伝子の活動レベルが低下することを確認した。
また米カリフォルニア大学デービス校の研究者は、細胞の老化の抑制に関係した酵素であるテロメラーゼの活動が瞑想をした後で活発になることを見いだした。これは瞑想によって細胞老化の進行を遅らせられる可能性を示唆している。
(詳細は25日発売の日経サイエンス1月号に掲載)
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