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2015年宇宙のコーヒー 専用エスプレッソマシン、国際宇宙ステーションへ打ち上げ
間もなく打ち上げられるSpaceXの物資補給船「ドラゴン」は、国際宇宙ステーション(ISS)に向けてさまざまな実験機器などを運び込む予定だ。ディスプレイなどに使われている液晶を微少重力下で詳しく調べるほか、将来の宇宙計画への採用を目指す「人工筋肉」や、宇宙飛行士がコーヒータイムを楽しむための特製エスプレッソマシンも届けられる。
【どう使う?宇宙専用コーヒーカップ】
SpaceXはイーロン・マスク氏が創業した民間企業で、ISSに物資補給する契約を米航空宇宙局(NASA)と結び、2012年には民間機として初めてISSとのドッキングに成功している。今回の打ち上げは日本時間14日午前5時半ごろに行われる予定だ。
米国の研究者による「Observation and Analysis of Smectic Islands In Space」(OASIS)は、液晶の「配向」などが微少重力下でどのような影響を受けるかなどを調べる機器を運び込む。液晶パネルの改良につながることが期待されるほか、将来の宇宙飛行士用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)開発にも貢献しそうだ。
「シンセティックマッスル」と名付けられた人工筋肉の実験も行われる。火星への有人探査の道のりで、放射線に長く耐えることができない人間に代わって活躍が期待されるロボットに使うことを目指しており、地上では既に強い放射線や熱にさらす実験を実施。ISSでは材料を90日間にわたって観察した後地上へ戻し、地球上で保管したものと比較する予定だ。
ISSで日々を過ごす宇宙飛行士たちが心待ちにしているかもしれないのが「ISSpresso」だ。コーヒーやお茶を微少重力下で作って飲めるようにするマシンで、イタリアのコーヒー会社Lavazzaと宇宙開発企業のArgotecが開発した。Lavazzaの幹部は「イタリアンコーヒーに国境はありません」と述べている。
コーヒーの素が入ったポーションを使う方式で、常温の水から作ることができ、大きさも通常のエスプレッソマシンと同等。微少重力化で液体や圧力を取り扱うには大きな困難があったという。
コーヒーは標準の飲料パックに入れてストローで飲む形だが、宇宙でも地上と同じようにコーヒーを楽しめるよう、流体力学的な観点からデザインされたカップも持ち込まれる。