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VECとNTT Com、「Industry4.1J」の実現に向けた実証実験へ
製造業、ビル、エネルギー、電力業界を対象としたソリューション普及活動を実施している任意団体Virtual Engineering Community(VEC)とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、製造現場とクラウドをつなげた「Industry4.1J」の実証実験を3月10日より開始すると発表した。
独や米国が推進している「Industry 4.0」では産業分野においてインターネットを利用して現場の情報をパブリッククラウドに蓄積しリアルタイムに分析・活用することで商品の品質向上やエネルギー利用効率化などの社会革新を目指している。しかし、サイバー攻撃の脅威が高まっている近年では、サイバー攻撃が恒常化する社会でクラウドと生産現場間を安全に接続することが大きな課題となっている。
これに対し「Industry4.1J」は、セキュアな環境で監視や経営を実現することによってさらなる現場の安全操業や効率的な運営が実現された世界を目標としている。近年、セキュアなプライベートクラウドが使用できる条件が揃ってきたことで、世界中に点在する拠点をつないで、資産管理や消耗部品の発注管理、リモートサービスなどを総合的に安全に管理できる環境を実現できるようになった。
今回の実証実験は、セキュアな環境での現場改善・効率化に必要な技術的要件を確認することを目的としている。具体的には、セキュリティ品質に優れるとされる通信プロトコル「OPC UA」を適用した場合でも正常に通信ができることや、クラウドや制御システムに実際に大容量かつ高速なデータを実際に流通させ、クラウドと現場間で求められる接続構成および仕様を確認する。また、VEC会員から提供される監視システムを導入し、実際にクラウド上で稼働するかどうか、監視システムに現場の制御ロジックを組み込み、正常稼働状況をシミュレートできるかどうかなども実験する。
同プロジェクトでは、VECが企画・運営窓口・ソリューション検証を担当し、NTT Comがクラウドからネットワークまで同実証実験に必須なICTインフラを提供する。成果は一般公開する予定で、それをVEC会員が提供するサービスと組み合わせることで、国内外に多数の生産拠点を持つ企業への高度で安全なソリューションの提供につなげていく。また、2015年4月から制御システムセキュリティ対策のイーラーニング教育事業をスタートさせ、人材育成からもセキュアな製造現場の実現を目指す。
監視システムのイメージ図