ネトゲ三昧、自堕落生活…天使学校の首席天使がドロップアウト＆堕天して駄天使化！『ガヴリールドロップアウト』が面白い！

　

　

　『ガヴリールドロップアウト』（うかみ/KADOKAWA / アスキー・メディアワークス）

　　「◯◯ちゃんマジ天使！」なんて絶叫をネット上でしばしば見かけます。さて、天使はみんなマジ天使なのでしょうか。「いや、何言ってんねん」と鮮やかに突っ込まれそうですが。天使は聖女より聖なる存在で、清純で、理性的で、マジメで…。でも、そんな完璧な存在をもし“演じている”天使が中にはいるとしたら。もしかしたら、燃え尽きたり、脱落（ドロップアウト）したり。そう。天使学校の首席天使・天真＝ガヴリール＝ホワイト（通称「ガヴ」）が…ドロップアウトしちゃったよ！

　　というわけで、『ガヴリールドロップアウト』（うかみ/KADOKAWA　アスキー・メディアワークス）です。天界でも稀にみる才能のガヴは、天使学校の期待を一身に背負って、下界に降臨します。目的は、人間という存在を学び、正しい道へ導くこと。そのため、人間にまぎれ、人間の学校に通う使命を帯びたのです。

　　ガブは当初、思っていました。「立派な天使になって、人間を幸せに導く」。…それが、どうして、こうなった。下界では学校にも通わず、自堕落な生活、ネトゲ漬け。彼女を堕天させたのは、恐ろしくも人間の娯楽。そして、娯楽に溺れることで気づいてしまった、自身の怠惰でグータラな本性。これまでの私は、演じていただけだったのかと。堕天した超優秀な天使。まぁ、萌えそうな設定ではありますが、ガヴの場合はヒドイ（読んでみてまぁビックリ）。

　　しかし！　彼女を清く正しい天使道に戻そうとする、ひとりの女の子が。「お前早くヒールしろって！」と画面へ叫ぶガヴに構わずPC線をぶった切り、説教を食わせる彼女の名はヴィーネ。純正の悪魔である。しかし、超いい子で学校の優等生。どう見ても天使。ということで、天使らしからぬ天使と、悪魔らしからぬ悪魔が、人類を救うために共闘し、やがては悪魔界・天界に反旗を翻し…というのは嘘で、ゆる〜いギャグなスクールライフがハイテンション気味に展開されていくのであります。

　　能力だけはウルトラなガヴの狂気がすさまじい。通学がメンドクサイからって教室にテレポートしようとして、誤ってパンツだけが高校デビューしちゃったからって、世界の終わりを告げるラッパを吹いて全人類を消去しようとする堕天使マジ駄天使！

　文＝ルートつつみ
　

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