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第三子妊娠、思うままに生きる小雪のルーツはスピ系、自然療法
3月23日、所属事務所を通じ、妊娠を発表した女優の小雪(38)。現在妊娠6カ月で、7月に出産予定だという。夫で俳優の松山ケンイチ(30)との間には2012年1月に長男が、翌2013年1月には長女が誕生しており、今回は第三子の妊娠となる。出産を経ても子育てをしながら女優業をこなしており、2013年放送の「リーガルハイ」(フジテレビ系)ではドラマにおける重要人物である刑事被告人・安藤貴和を演じたことも記憶に新しいだろう。
ところがそんな小雪、クールビューティーなイメージで通ってはいるものの、これまで珍妙な騒動でワイドショーを騒がせてきた。長女出産時に韓国のセレブ産後院から深夜に脱走し別の産後院に移ったという『産後院夜逃げ事件』や、2013年に放送された「旅ずきんちゃん」(TBS系)で友近が「嫌いなタイプの女」として小雪を挙げ「楽屋の加湿器を盗んだりする」と発言し、仕事場から加湿器を拝借して帰ることが公にされた『加湿器泥棒事件』などが有名だ。ほかにも2012年、皆既日食を翌朝に控えた日に行われた、映画「スノーホワイト」のレッドカーペットイベントで「皆既日食は見ますか?」と問われ「見ました。育児とか忙しくて、なかなか空を見上げることはないけど」と、まだ起こっていない皆既日食を見たと発言し場を微妙な空気にさせた『皆既日食見たよ事件』、その昔には、環境保全研究所という会社がサロン展開していた、環境への負担を抑え排水の浄化作用を促進する次世代の水「アクアーリオ」を雑誌ですすめ「知り合いのアトピーや糖尿病が良くなった」と有り得ないことを語っていた『謎の水に心酔事件』など、色々あった。熱愛や劣化などといった話とは比較にならない、風変わりな騒動ばかりである。
そんな風変わりな小雪に迫ってみるべく、著作を紐解いてみることにした。「生きていく力。」(小学館)は2012年7月、長男出産後で長女妊娠時に出版された書籍であり、帯には「読めば、必ず、彼女のことが好きになります」とあの三谷幸喜が寄せている。この影響力は地味に大きい。色々騒動はあったけど芸能界では支持されているのかな?という想像を巡らせてしまううえ、マイナスなことが書かれてあっても一回りして長所と捉えてしまいそうな効果もあり、いや捉えてくれという訴えすら感じさせる。表紙も妊娠中の小雪が高級そうなカーディガン一枚を羽織り、膨らんだお腹に手を乗せて微笑んでいるという幸せオーラビンビンでページをめくるのに勇気がいった。しかしここで物怖じしていては始まらない。勇気を振り絞ってページをめくったところ、明らかにゴーストライターが書いたと思われる読みやすさ抜群な文章で、小一時間もあれば読み終わってしまった。余白が多く、合間合間にポートレートが挟み込まれているザ・芸能人本のスタイルの本書は、小雪の幼少期から刊行当時の2012年までが余すところなく(たぶん)書かれている。気になった記述がいろいろあったので紹介したい。
小雪が育った神奈川県座間市の実家には、枇杷や蜜柑の木のほか、野菜やシソなど和のハーブ系、ブルーベリー、ラズベリーなどが植えられていた。それは姉が肌が弱かったことや、小雪の母親自身も偏頭痛の持ち主だったため自然療法を研究して実践していたからだという。母親は枇杷の葉を干してお茶にしたり、熱があると育てていた薬草を煎じて飲ませてくれたり、腹痛のときはあたためたこんにゃくを枇杷の葉に包んでお腹にあててくれたりしたらしい。また、おやつもジャンクフードではなく、干物。ケーキが食べたいと言えば“黒糖は身体を温めるから”とかりんとうが出されるという徹底ぶりだった。こうして小雪は「食」の大切さや知恵が自然と身に付いていったという。ちょっと気になり、枇杷の葉&こんにゃく療法をググッてみたところ「温まって身体が楽になった」「使ったコンニャクは食べないでください。コンニャクが悪いものを吸ってくれてる」など、コンニャクが“毒出し”してくれているという記述があり震えた。エビデンスなしの完全ヤバい系である。しかし、『謎の水に心酔事件』で「アトピーや糖尿病が良くなった」という発言が出たのは、このような環境で育ったことで、目に見えないものや根拠のないものを信じるようになったためかもしれない。何かと小雪のルーツが伺える本である。自然派の母親の影響か、「カムイ外伝」の撮影時には炎天下の沖縄で仕事をこなすスタッフたちに「大量にクエン酸水を作って俳優部にもアクション部にも配った」というくだりがあり、なぜポカリじゃだめなのか…と疑問を抱かせる。「体調が悪そうな人がいると、声をかけて様子を聞いたり、サプリメントなどを手渡して」いたほか、撮影時に借りていたマンションにスタッフを招き、秋刀魚の塩焼き、ゴーヤチャンプルー、オクラ入りのサラダ、アーサーの味噌汁など、一緒に住んでいたヘアメイクさんも駆り出して手作りしまくってもてなしたエピソードも盛り込まれている。食へのこだわりは強く、またそれも手作りであることにとてもこだわっていて頭が下がる思いだが、こうした手作り志向からポカリでなくクエン酸水になったのだろう。
また知らないことを知っているというように返答するくだりが見受けられ『皆既日食見たよ事件』も起こるべくして起こったように思う。たとえばモデルになりたてのころ、別のモデル仲間から「例のカフェで待ち合わせね」と言われると、“例のカフェ”の場所が分からないのに「分かった」と言ってしまったり、ドラマ撮影現場で「ランスルー(リハーサル)いきます」と言われて、何のことかわからないのに聞けないままやり過ごし、他の共演者がそれに気付いて教えてくれたり、また『non-no』の専属モデルオーディションで好きなモデルは誰か、と聞かれたが、もともとnon-noを読んでいなかったので言葉に詰まり、その場でページをめくって「この人です」と答えたりしたという。「知らない」「わからない」というのがとても苦手に見受けられる。ところが「よく見せようと思っても、もともとうまくないのだから、小賢しいことをしても底が見えてしまう」と語ってもいて、本人はこれで等身大と思っているようだ。高校時代に打ち込んでいたバレーを、腰の故障で諦めることになったにもかかわらず、「カムイ外伝」で過酷なアクションシーンにプロ意識を持って臨んでいるところなども、アレッ、腰痛めて運動しちゃダメなんじゃなかったっけ…と不思議に思うところだ。
ほかにも、「クールで他を寄せ付けない人と思われていた」ようだが実は違う、ということを何度も語っていたり、幼少期は「宮崎駿アニメに出て来る元気な女の子のよう」だったことなど、実は野性味あふれる気さくな人間であることを強調していたりもするが、気になるのは小雪のスピリチュアル志向だ。母親は子どもが産まれる度にその子どもの実印を作っていたらしいのだが、小雪のときは印鑑の彫り師が「この子は、将来名前だけで仕事をしていくから、名だけ彫るといい」と言われたそうなのである。そして今、小雪として活動していることを「とてもとても不思議な気がする」と語っているのだが、芸名を「名前だけにしよう」と決める時に、この実印の存在が頭をかすめた可能性はゼロではないのではないだろうか。妊娠したときには「ロサンジェルスに住むふたりの友人」から「こゆのベイビーを私が抱っこしているの。かわいい男の子だった」「ふたりの声が聞こえるわ」と言われたことを明かし「考えられるのは、妊娠だった」とすぐさま妊娠検査薬で検査して、妊娠が発覚…となるのだが、結婚したことも知っている友人であれば、また小雪が子どもを欲しがっていたなどの事前情報があったりすれば、そんな夢を見る可能性もゼロではない。ほか、モデルから女優に転身するとき姉から「直感的にそう思う」と、女優をすすめられるのだが、これも直感というよりも妹として接してきたからこその発言なのではないか……? だがそれも「昔から姉の直感は良く当たる」と納得しており、とにかく直感やスピリチュアルな出来事を信じがちなのである。産後院脱走もなにかスピリチュアルな夢でお告げでもあったのか? と想像が膨らんでしまう。
しかしここまで色々言ってきたが、小雪の食に対するこだわりには素直に感服した。自分が母親からしてもらったようにしたい、という思いからか、食に対しての頑張り具合が全編通して伝わって来る。育児でのエンドレスのオムツ替えや授乳も体験しており、もちろん一般人よりは裕福だと思われるので子育てや家事を外注することもあるだろうが、勝手に共感してしまう。また、これほど自然な食事や自然療法のことを熱く語っているうえスピ系の香りも漂うので「きっとコイツ母乳信仰者だな…」とか思っていたのだが、乳腺炎でアッサリ母乳をヤメたところにもグッときた。自分が心身ともに健康でないと子育てはままならないというポリシーには共感する。最後には「小賢しいことをしても底が見える」と言いながら、知ったかぶりするところすら、回り回ってなんだか可愛く見えてきて、三谷幸喜が言った通りちょっと小雪のことが好きになってしまうのであった。
■ブログウォッチャー京子/ 1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。