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出雲大社の遷宮から考える日本の森林資源と建築技術の継承について
造営ではなく、修繕遷宮が意味するもの
2013年に平成の大遷宮を行った出雲大社。伊勢神宮の遷宮も重なり注目を集めたのは記憶に新しいところだろう。しかし同じ遷宮といっても、両社には違いがある。まず、伊勢神宮が20年に一度遷宮を行うのに対し、出雲大社は60年に一度。伊勢神宮が左右の敷地に交互に社殿を新たに造営するのに対し、出雲大社では社殿の造営ではなく修繕に留まる。
遷宮までの間隔が長いこと、そして造営ではなく修繕というのは、古代の建築技術の継承にどのように影響しているのだろうか? さらに、実際に出雲大社の遷宮にまつわる話を聞いてみると、日本が抱える森林資源の問題に直結していることにも気づかされる。
今回は、出雲大社の「遷宮」について島根県立古代出雲博物館にお話を伺った。そこから日本古来の建造物や建築技術の継承を考えてみる。
巨大神殿を誇る出雲大社だからこその苦悩
出雲大社の「遷宮」を考えるときに、まず頭に入れておかなければならないのは、出雲大社の「巨大さ」だ。本殿のその高さは約24m、大屋根の面積で言えば180坪という破格の大きさだ。
本殿には当然ながら入ることはできず、拝殿や周囲の垣根越しにしか様子を伺い知ることはできない。しかし、その垣根越しに見る情景だけでも、その高さ、大きさには圧倒される。筆者も何度か出雲大社を訪れたことがあるが、いつも驚かないように心の準備をしていても、やはり本殿を目の当たりにすると予想を裏切るその大きさに感嘆するばかりだ。
現在の本殿は、1744年(延享元年)に造営され、1809年(文化六年)、1881年(明治14年)、1953年(昭和二十八年)の三度の修繕の後、2013年の平成の大遷宮に伴う修繕が加えられたものだ。出雲大社の遷宮も、元々は「修理」のみならず建て替えの造営を行っていたが、1744年以降造営は行われていない。また、修繕の遷宮も昭和の遷宮から平成の遷宮の間は60年を守っているが、それ以前は70年余りが経過している。
なぜ、造営が途絶え、また修繕でも一定の間隔で行えなかったのか? 島根県立古代出雲歴史博物館 専門学芸員の岡 宏三氏は、出雲大社の遷宮の歴史はその巨大さゆえの「森林資源確保との闘い」だったと説明する。
「2000年から2001年にかけて、出雲大社境内から13世紀前半頃(鎌倉時代)と推定される巨大な柱が出土されました。直径約1.35mの巨木を3本組にして1つの柱とするものです。…