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イオンモール1年、着々900万人…和歌山
「便利」「食品豊富」…近隣と差別化課題
- 一定の存在感を示しながらも、ライバル施設との競合に課題を抱えるイオンモール和歌山(和歌山市中で)
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和歌山市中の大型商業施設「イオンモール和歌山」が開業から1周年を迎えた。
この1年間での来客数は約900万人。当初は1000万人を見込んでおり、1割目標を下回る結果だったが、和歌山市の新しいにぎわいスポットとして一定の存在感を見せている。ただ、近隣に競合する施設もあり、今後、消費者を飽きさせない仕掛けをどれだけ続けられるかが課題といえそうだ。
3月の平日、店を訪れてみた。1年前の開業当初と比べれば、買い物客の数は落ち着いた雰囲気。それでも複数の買い物袋をさげて店内を歩く人の姿が見られた。
何人かの客にイオンモールの感想を聞いた。大阪府阪南市から訪れ、キッチン雑貨を購入した女性(29)は「駅から近く、小さい子どもを連れて来るのも便利」と重宝している様子。和歌山市の女子中学生(13)は「これまでは自宅近くのスーパーによく行っていたけど、イオンができてから週に1度ぐらいのペースで遊びに来る。今日も洋服を買った」とショッピングを楽しんでいた。
一方、近くに住み、散歩がてら訪れたという主婦(71)は「食料品の種類が豊富なのはうれしい。でも洋服は若い人向きのものばかりで買うものが見つからない」と注文をつけた。
目標の9割程度の集客で推移したことについて、イオンの担当者は「思っていた以上に道路の渋滞が生じたことが影響しているかもしれない」とみる。車でイオンへ来店する際、必ず通過する国道26号。大阪府と和歌山県の県境を貫くが、大型車両の交通量も多く、片側1車線では頻繁に渋滞が起きる。
ただ、全面開業から半年後の10月から南海電鉄は最寄りの和歌山大学前駅に特急を停車させるようになり、大阪方面からの10~20歳代の若年層が増加。今年2月の同駅の平均乗降客数は6588人で前年の1・7倍となり堅調だ。
集客が十分に伸びなかった要因として考えられるのが大阪府南部に立地する類似の商業施設との競合だ。ほど近い泉南市や泉佐野市には和歌山市のイオンに匹敵するか、それ以上の規模を誇るイオンモールとアウトレットがある。いずれも若者に人気の品ぞろえで客層が重なっている点も否めない。
和歌山市のイオンモールの経済効果について、和歌山社会経済研究所の木下雅夫常務理事は「周辺住宅地の付加価値を高める上では一定の効果があった」と指摘。ただ、地域全体に与えるインパクトについては「特定の商業施設の発展で地域を引っ張るのは難しい時代。イオンの集客をどれだけ地域活性化にいかせるかには課題が多い」と慎重な見方だ。(梨木美花)
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