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(3)学びの共同体 「孤立」なくす
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子ども同士が協力して学ぶ「アクティブ・ラーニング」。
その一つで、20年前から全国で実践されている学習法「学びの共同体」は、生徒指導などの学校改革に成果を上げている。
2月上旬、大津市立皇子山(おうじやま)中学校の英語の授業では、3年生が4人ずつの班に分かれ、男女交互に座った。市の紹介を英文で書くのが課題だ。
「琵琶湖に面している大きな公園があります。しかし、ごみも多いです、と書きたい」「but(しかし)を使ったら。ごみは、dustだね」
生徒が互いに単語などを教え、英文を作っていく。松代弘教頭(52)は「一斉授業についていけなかった生徒が、グループでは隣の子にすぐに聞くことができる。男女が気を使い合い、脱線することなく学習テーマに取り組める」と効果を語る。
学びの共同体では、授業の課題を確認したり、全員で考えたりする際は席をコの字形に並べ、少人数で意見を交わし合う時は4人の班に替える。いずれも子どもは互いに顔が見えるようにし、男女が交互に並ぶ。子ども同士で学び合う環境をつくろうと、佐藤学・学習院大教授が1995年に提唱した。
同中は2013年度に取り入れた。参考にしたのは、05年度から実践している大津市立粟津中。市教委によると、かつては空き教室に落書きがされるなど「生徒指導の必要が多い学校」の一つだったが、4、5年目から問題行動が減った。粟津中で導入に尽力した栗田久美子教諭(55)は「授業が理解できずに孤立していた生徒も教室に居場所ができ、学校が落ち着いた」。
導入から2年目の皇子山中でも、徐々に効果が表れている。生徒が騒いで授業の開始を妨害することがなくなり、3年生では各クラスに複数いた授業を抜け出す生徒がほとんどいなくなった。話し合いに参加しない生徒も、隣の生徒のノートをチェックするようになった。
学びの共同体の研究会のメンバーで、愛知県の元中学校長・倉知雪春さん(68)は導入時から同中を指導。「生徒が先生に刃向かっていくような雰囲気がなくなった」と評価する。昨年12月のアンケートでも同中の生徒の66%、保護者の62%が「学び合い学習は効果的」と答えた。
全国では約3000校で実施されている。佐藤教授は「一斉授業が主流の時代から、教室で全員の学びを保障し、結果的に不登校や問題行動を減らしてきた。アクティブ・ラーニングを広げる際には、これまでの蓄積を活用してもらいたい」と話している。
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