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アイドル雑誌各誌が一斉警告の謎 勝手にネットで画像公開は危険な違法行為!
漫画雑誌の画像アップロードはよく問題になっているが、実は他の雑誌でも画像アップロードは頻繁に行われている。ただ、それが特定の層でしか出回らないため、該当しない人の目にはつかないだけだ。その分野の1つが、アイドル雑誌だ。アイドルというものにあまり興味がない人は存在すら知らないかもしれないが、テレビ番組のPR的なテレビガイド誌ではなく、アイドルそのものについて取り上げる雑誌が複数ある。
その中で特に男性アイドルを取り上げる雑誌群が3月上旬、一斉に警告を発した。出版社の違う複数の雑誌が一斉に、ほぼ同じ文言でTwitterから警告を発信したことの異様さが目立っている。
●著作権と肖像権の侵害で場合によっては損害賠償や刑事罰も……と厳しい口調
ここでは複数出てきた警告の1つとして、集英社の「明星」のツイートを紹介しよう。冒頭の画像がそれである。
「最近、雑誌に掲載されている写真および文章を、写真撮影やスキャン等を行ない、許諾なくツイッターで公開する行為が目立っております。これらの行為は著作権、肖像権等を侵害するものであり、場合によっては刑事罰が科され、あるいは損害賠償を請求される可能性があります。くれぐれもご注意ください」
雑誌の内容をスキャンすることはもちろん、撮影してTwitterに流すことも違法であること、刑事罰や損害賠償の可能性もあることを強く訴える文章だ。そして同様の警告が、出版社の違う複数の雑誌からわずかな時間差で一斉に発信された。明星以外では、少なくとも以下の雑誌が、警告ツイートを発している。
・「POTATO」(学研マーケティング)
・「duet」(ホーム社)
・「ポポロ」(麻布台出版社)
・「WiNK UP」(ワニブックス)
文言の違いは句読点程度で、確実に各誌が基にした文章が存在することがうかがわれる。
●裏にはジャニーズ事務所?
これまでも漫画雑誌の内容をTwitter等で公開することはやめてほしいといったことをつぶやいた公式アカウントはあった。しかし、こうした強い文言で表明されたことはなく、なにより複数の媒体から同じ文言で一斉に発表されたというのは異様だ。
いかにも事前に協議して一斉発信を行ったか、どこかから文言やタイミングを指定されて流したという裏の様子が想像される。今回声明を出した雑誌群に共通するのは、男性アイドル雑誌という点だ。 これらの雑誌には、さまざまな芸能事務所に所属するタレントが登場するが、男性アイドルといえば、やはり思い浮かぶのはジャニーズ事務所だろう。実際、ジャニーズのタレントが出演しているドラマの告知や雑誌記事ですら本人の顔写真の掲載を禁止するなど、非常に厳しくメディア掲載を制限しているだけに、今回の対応を主導している可能性は否定できない。さらに芸能関係者が、そのような推測をつぶやいたこともあって、「ジャニーズ事務所からの通達があったのではないか」との憶測がインターネット上で飛び交っている。
実際のところは不明だが、ジャニーズ事務所はファンクラブを通して比較的厳しめにファンをとりまとめており、「事務所から睨まれたら困る」という意識がファンの側にもある程度定着している。つまり、今回のような通告は、「ジャニーズならやりかねない」と関係各所で納得をもって受け入れられているのだ。
●宣伝だからいい?
この警告に対しての反応は、大きく3通りに分かれている。1つは画像アップロードが違法だと認識しており、今回の警告を歓迎する立場の人たち。もう1つは、今まで画像アップロードをしていたが、違法だとは知らなかったから、今後は気をつけようと反省している人たち。
最後の1つは開き直っている人たちだ。「宣伝してやっているのだから、見逃すべき」などと考えている人も少なくない。しかし、実際に宣伝の目的でネット上に画像を公開していたとしても、それは違法であることは明白だ。雑誌の宣伝だとしても、見たい画像がネットに無料で公開されていれば、わざわざ金を出して雑誌を買う人はいないだろう。また、タレントの宣伝だと考えているなら、それは誤りだ。出回った画像が好き勝手に加工や転載を繰り返され、事務所や本人がコントロールできなくなるほうが、微々たる宣伝効果などより大きな損失となる。
共通の趣味の仲間同士で話題を共有するのは、この上なく楽しいものだが、画像を共有したいのならば、全員が雑誌を買うべきなのだ。買った上で「どの雑誌の何ページがいい」という程度にとどめるのが正しい態度だ。それこそが、持っていない人に雑誌を買わせることにつながり、「よい宣伝」だといえる。
(文=編集部)