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顔面を失う!? 世界に広がる人喰いバクテリアの恐怖
『A群溶血性レンサ球菌』という人食いバクテリアが最近、日本で急増中という話があり、患者数は2006年頃から急激に増加し、2014年には273人にも達したという。
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■「人食いバクテリア」とは?
このバクテリアの主な病原体はA群溶血性レンサ球菌である。A群溶血性レンサ球菌はありふれたバクテリアで、人間の喉から検出される事も多く、子どもの風邪の半分以上の原因となっているという。通常、ペニシリンで簡単に治療できるが、傷口などから細菌が体に入るとまれに劇症化する。初期症状は手足の痛みや腫れ、発熱などだが、病気の進行は極めて速い。
そして、細菌が急激に増殖すると、通常は細菌のいない筋肉や筋膜を壊死させたり、血流に乗って全身に回り多臓器不全などを引き起こすという(国立感染症研究所ウェブサイトより)。
このバクテリアは1987年に米国で最初に報告され、日本における最初の患者は1992年に見つかった。その後、日本では毎年数百人の患者が確認されている。発症して数十時間以内にショック状態で死亡することもあり、致死率は30%の極めて危険な感染症である。劇症型溶血性レンサ球菌感染症は子どもから大人まで広範囲の年齢層に発症するが、特に30歳以上の大人に多いのがひとつの特徴と言われる。
●ケース1/ジェイク・フィンクボナー君
シアトルに住む少年、ジェイク・フィンクボナー君の悲劇は驚くほどあっけなく始まった。ジェイク君はバスケットボールをしている時、何かに口をぶつけた。数日後、彼の顔は腫れ上がり危篤状態に陥り、彼はシアトルの子供専門病院に緊急輸送された。検査の結果、ジェイク君の身体に入ったバクテリアは人食いバクテリアとして知られる「Group A strep(A群溶血性レンサ球菌)」で、ごく小さい傷口を通ってジェイク君の血流に入り込んだ事が判明した。
既に彼の口と目の回りの組織はバクテリアに浸食されていたので、彼の命を救う為に外科医は感染した部分の組織を全て取り除いた。ジェイク君は何ヵ月にも及ぶ治療と手術の後、一命を取り留めたが顔には大きい瘢痕が残った。その後、数度にわたる痛みを伴う顔の再建手術を乗り越え、現在のジェイク君はやっと普通の少年として生活を楽しめるようになったという。
●ケース2/カルナワシーさん
カルナワシー(Manthrie Dewage Karunawathi)さんはスリランカに住み、採石場で働く59歳の女性だった。既に夫は亡くなっていたが、彼女の働きで一人息子を大学に通わせている気丈な女性だった。この恐ろしい病が始まった日、彼女は突然気絶し麻痺症状を呈した。彼女は病院に連れていかれ入院したが、翌日から彼女の顔の左側は腫れ上がり、やがてそれは彼女の顔全てに及んだ。
2日後に腫れはおさまり始めたが同時に、顔の左側の筋肉が腐食し始めた。その進行は著しく早く、彼女の左目と左耳は枯葉のように縮み、唇の左部分も腐り彼女の歯は露出してしまった。
2ヵ月後にカルナワシーさんはコロンボの大きな病院に転院し、その病院でやっと彼女の顔が人食いバクテリアに感染していた事が判明した。彼女の左目と左耳は切除しなければならなかったが、2カ月後には退院可能となった。しかし、顔の半分を人食いバクテリアによって食べられてしまったカルナワシーさんの姿は実にショッキングで、インターネットによって世界中に拡散された。その結果、世界中からカルナワシーさんの新しい顔を作るための寄付が寄せられ、2012年に顔の再建手術が行われたと言う。
ジェイク君もカルナワシーさんもある日突然、身体を人食いバクテリアに貪られてしまった。何の前触れもなく、劇症化するこのバクテリアは本当に不気味である。ジェイク君は幸いにも医療の進んでいる米国に住んでいたので、最新の治療を受けられたようだ。しかしスリランカに住むカルナワシーさんは、病名を突き止めるのにさえ何ヵ月もかかり、顔半分が骸骨のようになって、生きているのが不思議なくらいの気の毒な状態になってしまった。カルナワシーさんの顔の再建手術が、上手く行った事を願っている。彼女について続報を見つけたら、是非またお伝えしたいと思う。
(文=美加リッター)