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阿部慎之助も認めた逸材 DeNA・筒香が見せつけた可能性
27日の金曜日、待ちに待ったプロ野球の新シーズンが開幕した。
東京ドームでは、セ・リーグ3連覇中の巨人が昨年9年ぶりに対戦成績で負け越したDeNAと対戦。オープン戦11位に終わった巨人と2位で終えたDeNA、開幕直前の段階では勢いの差は歴然であったが、終わってみれば巨人が2勝1敗で勝ち越した。
この試合でひそかに注目を集めたのが、DeNAの4番・筒香嘉智と巨人の4番・阿部慎之助による“新旧・左の和製大砲”対決。左の長距離砲が不足する球界において、希少な存在となっている2人の競演がいきなり開幕戦で実現した。
一塁転向で打棒復活を目指す阿部と、今年から主将に就任し、飛躍へ向けて4番としてフルシーズン戦う覚悟で望む筒香。2人の開幕3連戦の結果は以下のようになった。
阿部:率.273(11-3) 本0 点1 出率.250 長率.364
筒香:率.462(13-6) 本2 点4 出率.500 長率1.000
阿部もまずまずの数字を残したが、それがかすむほどの成績を残した筒香。
初戦は敗れはしたものの、打ちあぐねたエース・菅野智之から反撃の狼煙を上げるソロを放つと、2戦目では4打数4安打で2打点。ライト上部の看板に直撃する特大の一発を放った。3戦目でも一死一二塁のチャンスできっちり適時打を放って1安打1打点。苦しい中でも4番としての仕事を全うして見せた。
キャンプでは、中畑清監督の強い要望もあって実現した松井秀喜臨時コーチに指導を仰ぎ、居残り練習では質問をぶつけていくなど積極的な姿勢で熱心な取り組みを見せた23歳には、もうすでに4番の“風格”すら漂う。
阿部にとっても筒香は一目置いている存在であり、昨年末に出演したテレビ番組で“夢のチーム”を作っていく際に、阿部は自らのチームの4番候補として筒香を指名。「(今の時代)左バッターの日本人で40本打てるとしたら彼」と絶賛していた。そして、そう言わしめた左の大砲の“先輩”の目の前で、筒香はその実力をいかんなく発揮してみせた。
開幕3連戦で与えた“衝撃”――。2010年の阿部以来となるセ・リーグ日本人40発と2008年の村田修一(当時横浜)以来となるセ・リーグ日本人本塁打王へ、ハマの主砲にかけられる期待は日に日に大きくなる。