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マリオ、ドラクエ…なぜ昔のゲーム音楽は耳に残るのか?
ドラマ、CM、バラエティーなど、テレビを観ていると頻繁に耳にする効果音があることにはお気づきだろう。例えば、スーパーマリオ、ドラクエ、メタルギア、ロックマンなど……テレビで流れるゲームの名作には枚挙に暇がない。
それにしても、なぜテレビ番組ではゲーム音楽を耳にすることが多いのだろうか? その理由を、ゲーム音楽に詳しいライターK氏は次のように語る。
「ドラマやバラエティー番組でゲーム音楽が使用されるのには、大きく3つの理由があります。まず、基本的にはループを前提とした曲構成になっているから、尺を気にする必要がない。そしてBGMとSEには歌詞がないものがほとんどですから、曲そのものが主張して前に出てくることもない。あとはゲームって、戦闘シーンや物悲しいシーンなど、場面に合わせていろんなパターンの音楽が作られている。これにはテレビ制作スタッフも助かっているでしょうね」
実際の現場はどうだろうか。某テレビ局のディレクターはこう話す。
「確かにそうですね。自分の青春時代にハマっていたアニメやゲームの音楽って、けっこう覚えているじゃないですか。スーパーマリオとか、メタルギアとか。なじみのある曲だと脳内で検索できるし、そうすることで選曲の時間も節約できて便利なんですよね。ゲームのサントラは会社に常備していますよ」
どうやらテレビとゲーム音楽の親和性は高いようだ。そこで、こんな疑問がふと浮かんできた。「もしかして、昔のゲーム音楽は耳に残りやすいのか?」 前出のライターK氏はこう説明してくれた。
「もちろん、最新のゲームにも優れた音楽はあります。しかしオーケストラなど様々な要素を取り入れることで、音楽そのものが複雑化してしまっている。それに比べて昔のゲーム音楽は、単純明快でシンプルなものばかり。それに、心地よいメロディーラインの音楽もたくさんあるんです。ソフトの容量が小さく制約があった時代の音楽だからこそ、脳にもインプットされやすいのでしょう」
ファミコン時代の音楽は、ピコピコしていて正直頭が痛くなる……なんて声もあったが、それ故にサウンドの中毒性は抜群なのだろう。
最近では、流れている曲をスマホに聴かせるだけで曲名を教えてくれるアプリも存在する。テレビから聞こえる音楽に耳を澄ませてみると、また違った楽しみ方ができるかもしれない。 <取材・文/北村篤裕>