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地元でV! 渡邉彩香の計算された60ヤード
飛距離プラス巧みな小技でツアー2勝目を引き寄せた渡邉彩香 ヤマハレディースオープン葛城(2015)(最終日) 写真・鈴木祥
ヤマハレディースオープン葛城(4月2日~5日、静岡県・葛城GC山名C、6568ヤード、パー72)
大器が地元で花開いた。朝から強い雨が降る悪コンディションの中、首位と5打差の4位タイからスタートした渡邉彩香が、7バーディ、2ボギーの67で回り、見事逆転。昨年のアクサレディス以来のツアー2勝目を飾った。
渡邉の優勝を後押ししたのは、まずはその飛距離。キャリーで平均260ヤードを超える豪快なドライバーは、下が濡れて軟らかくなった状況で他の選手を圧倒した。また、飛距離だけではなく、このオフはスイング改造にも取り組み、7、8割の力で打っても飛距離が落ちないと、ライン出しのドライバーも取り入れ、正確性も増した。そして、最終的には巧みな小技で勝利を決定づけた。
最終18番を迎えた時点で後続に1打差の単独首位だったが、練習日からの地道な練習が優勝を呼び込んだ。渡邉の場合、短いパー4だとセカンドで100ヤード以内の中途半端な距離が残ることが多い。そのため、火曜日に行われたプロアマ戦の後から3日間、練習場で60、70、80ヤードの距離を徹底的に打ち込んだ。
「キャディさんに練習場の右端に立ってもらって、それぞれの距離にヘッドカバーを置いて、それに合わせて打つ練習をしました。寄れば手を上げてもらって、キャリーを合わせました。これを繰り返しやったことでイメージがよくなりました」
18番の3打目は約60ヤード。58度のウェッジでのコントロールショットが、見事ピン手前1メートルに落ちて止まった。これを決めてバーディフィニッシュ。ダメ押しの一打となった。
渡邉はヘッドスピードが速いため、ショートアイアンのショットにはスピンがかかりすぎて、いくらピンをデッドに狙ってもバックスピンで戻ってしまうケースが多かった。この日は、それでも残った入れごろ外しごろの上りのパッティングを何度も決めていたが、60ヤードの場合はコントロールショットのため、余計なスピンがかからず戻ることはないという計算だった。優勝がかかった大一番でキャディと決めたというと見事なマネジメントとショット力。成長した姿を雨の中駆けつけた地元ファンに披露した。
「地元で優勝できたことが何よりうれしいです。去年も何試合もあったのに、いいところを見せられなかったので、少しは成長したところを見せられたかなと思います」
昨年、静岡県で開催された女子ツアー4試合の最高成績は、この大会の17位タイ。それも初日4位タイのスタートを切りながら、2日目に81をたたき後退した結果だ。今回の優勝は大きな成長を見せることができたわけだ。
「昨年もシーズンの早い段階で優勝できたのに2勝目ができませんでした。とにかく早く今季2勝目を挙げたいです」
女性に対しては失礼かもしれないが、「怪物が目覚めた」と表現してもいいだろう。世界クラスのプレーヤーになる素質は誰もが認めるところ。地元Vで勢いがついた渡邉の今季が楽しみだ。
文・高桑均
本記事は「ParOn」から提供を受けております。
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