打撃不振の虎に追い打ち ３０年ぶりＶ奪還阻む「三大重圧」

　

　２７日の公式戦開幕を前にして打撃不振に苦しむ阪神。オープン戦では１２球団中４位ながら、チーム打率・２４１は６位。２２日のオリックス戦は２安打に終わり貧打ぶりが深刻だ。

　和田監督は「危機感は監督とコーチだけでいい」と選手たちをかばった。が、３０年ぶりの日本一奪還を狙うナインの前には、さらに３つの問題が立ちふさがっている。

　まずは、指揮官がぶち上げた「チーム１００盗塁計画」だ。鳥谷、上本、大和の３選手に１人３０盗塁を課し、残りを他の選手の“奮走”に期待するが、オープン戦でのチーム盗塁数はセ１位の巨人の１３盗塁に及ばず、７盗塁。「鳥谷、上本を中心にエンドランが増え、走る意識は向上した。でも、走れる打者が塁に出ないと全体の盗塁数は増えない」（球団ＯＢ）

　好調の鳥谷、上本と対照的に、大和は打率・１５６と低迷している。「監督が掲げた構想の実現危機に、選手たちが圧迫される可能性がある」（同）と指摘する。

　２つ目はペナントの「１位」予想。選手間で話題なのが球団ＯＢ・赤星憲広氏。２００９年に引退し評論家に転身して以来、古巣を初めて優勝に推したことだ。

　「去年２位の実績で、現在は巨人、広島など他球団で主力が離脱する中、消去法で選ばれた可能性がある。が、持ち上げてダメならたたくのがマスコミ。チームの状態が下降気味な一方で１位に推されると、選手はかえって不安に感じるようです」（球団関係者）

　最後は中継ぎ陣。高年齢化＆勤続疲労がみえる福原、安藤に代わり、今季はドラフト２位の石崎（新日鉄住金鹿島）や松田、桑原、左腕の島本ら新顔がそろう。

　「先発投手はどこまで飛ばして中継ぎにバトンタッチすればいいか、福原、安藤と比べて計算できない点が不安に感じますね」（ある投手）

　とはいえ、そんな重圧を吹き飛ばせるかは、和田監督の采配次第。虎将の初志貫徹がカギだ。　（山戸英州）2015/3/25 16:56 更新