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橋下徹大阪市長に“暗雲”特別秘書の勤務実態を問う住民訴訟で、裁判所が異例の命令

橋下徹大阪市長に“暗雲”特別秘書の勤務実態を問う住民訴訟で、裁判所が異例の命令

 

 統一地方選、都構想の是非を問う住民投票と、今年が正念場といわれる橋下徹・大阪市長。ところが、その前に意外なところから“暗雲”が立ち込めたようだ。

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 その“出所”とは、大阪地裁第2民事部。2月27日、異例の命令が出されたのだ。在阪ジャーナリストは説明する。

「2013年5月、橋下市長の特別秘書、O氏に対する給与の支出が違法、無効であるとの住民訴訟が起こされました。以来、1年9カ月にわたった裁判で、裁判所が異例の判断を下したのです」

 O氏は、橋下氏の後援会会長の息子という、いわくつきの人物。勤務実績や普段の行動が見えにくいことから、「本当に秘書の仕事をやっているのか」といった声が漏れ伝わっていた。そこで起こされた裁判で、要は本当に秘書として働いていたのかどうかが争われたわけだ。

 その争点で、カギとなったのが「メール」だ。市長から秘書への指示は普段、どうやっていたのか。通常、文書やメモがあるものだが、橋下市長側は「すべてメールでやり取りをしていたから文書やメモは一切ない」とし、メールについて所持している(残してある)かとの質問に対し、橋下氏、O氏共に「所持している(残してある)」と回答している。

 ところが、そのメールの提出について橋下氏は「提出できない」と回答。その理由については「現在の市長業務の状況から、私個人が作業をするのは困難です」。

 さらに、橋下氏は上記のメール提出拒否の理由とともに、このようなことも書き記している。

「市役所を通じて送信したものは、市役所から出させます。O個人に直接送信したものはOから出させます」

 さらに、O氏の回答書には、裁判所への提出について「提出できる」としている。

 つまり、こと細かに市長職をサポートするよう、指示した内容のメールを提出すれば、疑惑が晴れるというわけだ。

 ところが、肝心のメールは出てこなかった。原告側弁護団の一人の弁護士は語る。

「公務の指示、つまり公文書といっていい資料を、任意で提出してこなかった。そこで業を煮やした裁判所は、メールを提出せよという異例の命令を下したのです」

 ちゃんと秘書の仕事はやらせている、正当な雇用だとしたものの、それを証明するものが出てこない。果たして、本当にメール自体が存在するのか、メールに指示内容が書かれていたのか。いくつもの疑問が残る中、時間は過ぎていく。今回の裁判所の決定は、14日以内に提出せよとの命令なので、期限は3月13日。

 前出のジャーナリストは語る。

「まさか、橋下氏側は抗告なんてしないでしょう(苦笑)。早くメールをすべて提出してすっきりさせ、統一地方選や住民投票に向けての準備に専念してもらいたいものですね」

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