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【レビュー】タオルハチマキでおなじみ、人気ラーメン店「なんつッ亭」店主の本音とは
白いタオルハチマキでおなじみ
神奈川・秦野に本店を構える「なんつッ亭」。東京・品川や池袋などにも出店し、なんとシンガポールにも進出している人気ラーメン店だ。その店主である古谷一郎氏は、白いタオルハチマキに鋭い眼光のちょっと怖そうな見た目でテレビ番組でもよく見かける。そんな古谷氏が波瀾万丈の人生やラーメンについて、商売について語った本がある。「うまいゼベイビー伝説」だ。
まず、帯のコメントにビックリ。『「一郎が本書いた? 人生波瀾万丈やったからな。ところで一郎漢字書けたんや(笑)」(パティシエ鎧塚俊彦)』。一体どんな内容に仕上がっているのかと若干不安になりながら読み進める。
「波瀾万丈の人生」と書くだけあって、昔はちょっとやんちゃ系。その影響もあって27歳まではほとんど定職につかない状態だったという。しかし、冒頭で「この本は『俺、実は、昔……』みたいな告白本とかではありません」と書かれている。昔、こんな悪いことしちゃいました系の武勇伝が記されているわけではなく、逆に、行き当たりばったりの修行時代、考えていたより前倒しでの開業、オープン初日は恥ずかしさのあまり「いらっしゃいませ」も満足に言えず、ラーメンを出すと裏に逃げてしまう始末と、「何がどうなって現在の栄光があるのだろう」と感じるくらい心配になってくる。
快進撃の裏側で……その後、長男誕生が転機となり、仕事に対する考え方が変わったと古谷氏。当初の夢だった「1日100杯」の売り上げも実現し、東京・品川へも出店。さらには海外進出……と快進撃が始まるわけだが、その間にも従業員とのトラブルや自らの体調不良など、様々な苦労があったそうだ。
同書は、ラーメン店に限らず「飲食店を開きたい」と思う人には独立開業の指南書となることだろう。また、読み進めていくとなんだかよくわからないが「もっと頑張ろう」と思えてくる。それが人によっては「仕事」だったり「趣味」だったりするかもしれない。でもそんなパワーが古谷氏の言葉には秘められている気がする。それはやっぱり、キレイごとだけが並べられているのではなく、「本音」がぎっしりと詰まっているだからなんだろうな。
「うまいゼベイビー伝説」古谷一郎著発行: 旭屋出版
定価: 1,050円
四六判・162ページ
43歳にして、この波乱万丈の人生。人気ラーメン店『なんつッ亭』の店主が熱く語る、ヤンキー時代、修行時代、商売のこと、従業員のこと。自分をさらけ出すと店主は言った(だから、この表紙かいっ!)。
表紙を含めて衝(笑)撃的な内容の数々。最後は、ラーメンの「力」で東北のためにできることをまじめに報告。パラパラまんがのお楽しみ付の痛快ノンフィクションです(旭屋出版担当編集)。