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【花燃ゆ】高良健吾、主人公が高杉晋作ではダメな理由

 【花燃ゆ】高良健吾、主人公が高杉晋作ではダメな理由

 3月1日放送のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』第9回は「高杉晋作、参上」のサブタイトルどおり、松下村塾門下の俊才・高杉晋作のメイン回。本作で高杉を演じるのは大河ドラマ初出演の俳優・高良健吾(27)だ。
 
 久坂玄瑞役の東出昌大とは16歳の頃からの友人
 
  松下村塾で高杉と並び称されていた久坂玄瑞を演じる東出昌大(27)とは、プライベートでも親交が深く、二人がドラマ初共演している姿も見どころ。「同年代の役者がいるだけで(モチベーションが)上がります」と声のトーンも上がる。年齢の近いところでは、松下村塾の塾生として吉田稔麿役の瀬戸康史(26)や野村靖役の大野拓朗(26)もいるが、もっとも刺激を与えてくれるのは、主演の女優・井上真央(28)。「彼女には尊敬しかない」と話す。
 
  井上とは、同局の連続テレビ小説『おひさま』(2011年前期)で夫婦役を演じた。「なんだろう…、この安心感。夫婦役を演じたというのもあるからだと思う。真央さんは先頭に立って『ついて来て!』という感じではないけれど、いつの間にか皆の真ん中にいて、(求心力で)渦を巻き起こし、巻き込まれてしまう。スタッフもキャストも真央さんを頼りにしていて、真央さんはそれを受け止めてくれる。相当の覚悟がないとできないこと。お世辞ではなく、マジですごいと思っています」。
 
  そして、井上が演じる吉田寅次郎(松陰)の妹・文(ふみ)が、「主人公であることが、この作品の真の魅力だと思う」と語る。世間では、幕末の長州が舞台ということで、松陰や高杉など、ドラマになりそうな人材の宝庫だというのに主人公に「松陰の妹」、という“マイナー”な人選に対する抵抗感が根強いが、幕末の動乱期に登場して若くして死んでいった松陰や高杉、久坂たちでは描けない“ドラマ”があるという。
 
  「松陰先生の妹として生まれついた文の周りには多くの維新の志士がいて、いろんな関わりを持って。その上、長生きして、幕末から明治にかけて相当な(早死にした松陰たちが見ることができなかった)世界を見ている。そういう人だからこそ描けるドラマ、それが『花燃ゆ』なんだと思う」。
 
  松陰刑死後、彼の遺志を継ぎ、(近代的)先進的な軍隊である奇兵隊を結成しその初代総督となるも、病魔に蝕まれ28歳の若さで亡くなった高杉には、「松陰と久坂の志を受け継いだ高杉が一番したかったことは広い世界を見ることだったと思う。志半ばで、それも病気で亡くなったのは悔しかったと思う」と同情を寄せた。…■一人の人間の中の変化を見せたい
 
  2月22日放送の第8回では、遊女をはべらせ、ずいぶんなチャラ男に見せていたが「10代のうちは、人を挑発したりする面倒くさいヤツでいることを大事に」演じたという。
 
  「高杉は名家の嫡男として生まれ、何もしなくても、いい役職につけて、自分の将来は決まっている。それが『つまらん』し、あらゆることに対して『つまらん』と言っています。本当に自分の人生を退屈だと感じていたんだと思う。そういう鬱屈を、まずはちゃんと見せたい」と話す。
 
  高良自身は俳優デビュー10年目の節目に立つ。「10代、20代前半は(自分から)あふれるものを勢いでやってきた。徐々にそれだけではダメだと知り、あふれてくるものを咀嚼して、もっと感情を豊かに自由に表現することを意識するようになりました」と我が身を振り返りながら、「高杉も同じで、10代の頃はあふれるがままに、奇兵隊を結成してからは勢いだけでは進めないこともあると知る。初登場から亡くなるまでをとおして、一人の人間の中の変化を見せることが、この作品で僕がやらなければならないことだと思う」と思いを重ねた。

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上原健二
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