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免震ゴム不正 建設中の長野市庁舎でも 免震装置90基中83基が強度不足

 免震ゴム不正 建設中の長野市庁舎でも 免震装置90基中83基が強度不足

 

  東洋ゴム工業が製造した建築用免震ゴムが、建築基準法が定める強度を満たしていなかったと指摘されている問題で、長野県内で今年11月の完成に向けて建設中の長野市の庁舎・芸術館でこの免震ゴムが使われていることが15日明らかになった。

 

 
  この問題をめぐっては、同社が製造した「高減衰ゴム系積層ゴム支承」が、国が定める性能基準を十分に満たしていないにもかかわらず、不正な申請書を提出して建築基準法に基づく評価・認定を受けていたとして、国土交通省が耐震性の確認を行い、場合によっては交換などの対応を行うよう求めているもの。

 

 
  国交省の調査によると、この免震ゴムは宮城県や福島県、東京など55棟の建物で使われていることが判明している。

 

 
  長野市によると、免震ゴムの使用が発覚したのは、現在建設を進めている地上8階、地下2階の新市役所第一庁舎と市芸術館の建物。地下1、2階に設置された免震装置90基のうち、83基で性能基準に適合しない製品が使われているという。

 

  同社は、東日本大震災が発生した際に、震度6弱~6強の揺れに見舞われた宮城県仙台市でも、この免震ゴムが使われた3棟に損傷はなかったとして、「今回の免震ゴムを使用しても建物全体の耐震性は維持できる場合がある」と説明している。

 

 
  長野市によると新市役所と市芸術館の建築工事は、今年3月の完成の予定だったが、作業員不足や天井耐震化対策工事などで工期が遅れ、完成は11月末に伸びた。市は16日以降、免震装置の交換が必要かどうか検証に入るが、場合によっては工期がさらに伸びるおそれもあるとして懸念されている。

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