意外と高い確率で起こっている!? 流産について知っておきたいこと

　

　待ち望んだ妊娠！　しかし、新しい命が誕生するということは、さまざまなリスクや危険と隣り合わせということを忘れてはいけません。
　
　実際、妊娠初期の流産の確率は全妊婦の10～15％、つまり少なくとも10人に1人は流産を経験しているということになります。今回は、流産について、実際に流産を経験したママたちの体験談も一緒に詳しく理解していきましょう。
　
　■流産とは？ どんな症状があるのか？
　そもそも流産とは、妊娠22週未満までに胎児が育たない、またはなんらかの原因により妊娠が中断してしまう状態のことをいいます。妊娠22週というと、妊娠6ヵ月にあたります。そろそろ胎動がわかる時期でもあり、そんな時に赤ちゃんが亡くなってしまうのは、本当に悲しいことでしょう。
　
　流産は、進行程度や状態によって、いくつかに分類されます。
　
　・進行流産
　流産が進行しており、胎児や胎盤組織などが流れ出ている状態です。「進行」とはいえ、これ以上妊娠を継続することはできません。
　
　・不完全流産
　進行流産が進み、胎児や胎盤組織はほぼ外に出ているものの、一部残った状態になっており、出血も続いている状態のことです。
　
　・完全流産
　不完全流産が進行し、胎児と胎盤組織が完全に母体の外に出た状態のこと。出血もほどなくおさまります。
　
　・稽留（けいりゅう）流産
　胎児が亡くなった状態で子宮内にとどまっている状態のことです。ほとんど自覚症状がなく、健診時に赤ちゃんの心拍数や成長が見られないことで発覚する流産です。
　
　ちなみに、よく耳にする「切迫流産」は妊娠初期におこる、子宮からの出血を伴う症状全体を指す言葉で、流産の分類とは少し異なります。また、流産のように子宮口も開いておらず、そのため「切迫流産＝流産しかかっている状態」とも表現されます。
　
　■「私のせいかも…」と自分を責めないで！
　流産が発覚したママの多くは「私のせいで」と、自分自身を責めてしまう傾向があります。「あの時、重たい物をもったからかも」「仕事で無理をしたせいだ」と、いろいろと考え込んで自分を苦しめてしまい、赤ちゃんを失った悲しさとあいまって、精神的に参ってしまいやすい状態にあるといえます。
　
　ただ、これだけは知っていてほしいのは、妊娠初期の流産のほとんどは、ママ側の問題ではないということ。流産にいたる赤ちゃんの多くが、染色体の異常などの原因で、十分に育つ力がなかったため、お腹の中で亡くなってしまうのです。
　
　流産はつらく悲しいことですし、すぐには無理かもしれませんが、「また自分のところへ戻ってきてくれるんだ」とできるだけ気持ちを切り替えて、次の妊娠を待ち望みましょう。…