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経済ニュースの”ここがツボ” (23) 「株価回復は2万円で終わりではない」 – 長期的な上昇相場の”通過点”
連載『経済ニュースの”ここがツボ”』では、日本経済新聞記者、編集委員を経てテレビ東京経済部長、テレビ東京アメリカ社長などを歴任、「ワールドビジネスサテライト(WBS)」など数多くの経済番組のコメンテーターやプロデューサーとして活躍、現在大阪経済大学客員教授の岡田 晃(おかだ あきら)氏が、旬の経済ニュースを解説しながら、「経済ニュースを見る視点」を皆さんとともに考えていきます。
○「株価回復は2万円で終わりではない」理由とは?
日経平均株価が4月10日、ついに一時2万円の大台を回復しました。2万円台はITバブル期の2000年4月以来15年。「3月中に2万円」という予想は少しずれこみましたが、長年にわたって株式相場を見てきた私としては「ようやくここまで回復したか」と感慨深いものがあります。
しかし株価回復は2万円で終わりではありません。それは、日本経済が「失われた20年」の低迷から本格的に脱却しつつあるという歴史的な転換が背景にあるからで、長期的には今後も続くであろう長期的な上昇相場の通過点なのです。そう見る理由は3つです。
第1は、日本経済が従来とは次元の違う動き、つまり本格的な構造変化です。この連載で以前、株価上昇の背景として、景気回復、原油安、企業の業績回復、世界的な金融緩和――の4つを挙げましたが、そのうちの景気回復と企業業績回復は単に一時的なものではなく、まさに日本経済の底流で起きている変化につながるものなのです。
マクロでの景気回復は言うまでもなくアベノミクスによってもたらされたものです。バブル崩壊後もこれまで何度か景気回復局面はありましたが、いずれも経済の根本的な立ち直りには至りませんでした。それが「失われた20年」などと呼ばれる所以ですが、今回は賃上げもあって経済全般にわたる好循環が始まっており、デフレ脱却と本格復活に向けた動きが出てきています。
第2は、ミクロで見た日本企業の変化です。企業の業績回復についてこれまでは円安のおかげと言われましたが、現在ではそれにとどまらず、多くの日本企業が競争力を取り戻しつつあることを示しています。多くの企業はデフレを乗り切るためにリストラ(人員削減だけでなく、本来の意味のリストラクチャリング=事業再構築)と改革に取り組んだ結果、業績が回復したのです。そのことは企業の足腰を鍛え直し体質を強化したことを意味します。
○「アベノミクスは単なる景気対策ではない」
こうして今、日本企業は従来の守り一辺倒の経営から攻めの経営へと姿勢を変えています。…