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2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:第14回 それぞれの道へ
諦めきれなかったサッカーへの思い
眩い光を放った東京ヴェルディユースの92年組。プロに進んだ者もいれば、大学に進んだ者もいる。彼らの足跡を追う。
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「辞めようって決めてたんですよ。年末にセレクションを受けて、ダメだったらサッカーはあきらめる。すぱっと切り替えて、就活を始めるつもりだった」
相馬将夏(法政大4年)は、さばさばと心境を語った。1月31日、関東社会人サッカーリーグ1部のブリオベッカ浦安は相馬の加入を発表。春からは寮に入り、午前はトレーニング、午後はクラブと提携する職場で仕事をする生活だ。働きながらサッカーを続ける道を選んだ。
年明けすぐ、浦安のテクニカルディレクターを務める都並敏史から連絡が入った。用件は、練習参加の誘いである。一度会って話すことになった。
「都並さんは、点の取れる選手を獲得したいということ、それと僕のサッカーと向き合う姿勢を買っていると話してくれました。人間的な部分を評価してもらえたのはうれしかったです」
相馬はその場で即答せず、いったん返事を保留する。じっくり考えたうえで、答えを出したかった。
そもそも、ここに至って迷っていること自体が予定外だった。昨年12月、FC町田ゼルビアとカマタマーレ讃岐のセレクションを受けた。参加費はそれぞれ1万円。旅費、宿泊費はすべて自腹である。結果はともに不合格だった。
サッカーを続けるなら、J3の上位以上のクラブとあらかじめラインを引いていた。その覚悟を固め、最後のチャレンジに挑んだ。オファーが届かなかった時点で、あきらめがつくはずだった。
「ところが、いざそうなってみると、気持ちに踏ん切りがつかなかった。全部落ちたのに、これがラストチャンスだと決めていたのに、このまま終わっちゃうのかぁとモヤモヤしていて……。年末年始、ずっと考えていました。サッカーと就活の間を行ったり来たりしながら」
視界が開けたミーティング。湧き上がる気持ちの高まり
鬱屈に満ち、頭から煙が出そうなほど悩んだあげく、珍しく風邪をひいて発熱した。大人の知恵熱というやつかもしれない。大学の友人たちは、グアムだスペインだと最後の余暇を満喫している。SNS全盛の現代、それらは気にしなくても勝手に目に入ってきた。
「結局、やりたかったんですね。自分にはやり残したことがある、もっとやれる。そうやって声をかけていただけるなら、頑張りたいと思った。…