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「救助救命わが使命」陸自隊員、休日ボランティア
阪神大震災をきっかけに自衛隊員になった陸上自衛隊中部方面衛生隊所属の馬部(ばべ)直人さん(44)(宝塚市)が、応急処置や救命法などを教えるインストラクターとして、ボランティアで指導している。休日を利用して足を運んだ講習会は100回を超えた。この20年間、「最前線でより多くの命を救いたい」との初心を貫いてきた。(社会部 黒川絵理)
- ボランティアで応急処置方法などを指導する馬部さん(西宮市で)=枡田直也撮影
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南あわじ市出身で、震災までは淡路島の精密機器会社に勤めていた。1995年1月17日。スキー旅行の帰り、JR鷹取駅に到着した直後にすさまじい揺れに遭った。周囲にはガスのにおいが漂い、民家は倒壊し、ガラスが散乱していた。須磨港まで歩き、フェリーに飛び乗った。実家や家族は無事でホッとした。
テレビのニュースでは、自衛隊員が救助活動に奔走していた。家族が被災した隊員もいることを知った。「自分は被災地で何もしていない」との思いに駆られ、入隊を決意。半年後、会社を辞めて飛び込んだ。
被災地で救助活動に従事した教官や先輩からは「被災地では自分たちが生活するのすら大変だったが、捜索のお礼を言われ、受け入れてもらったと感じた」という体験談を聞いた。それを励みに厳しい訓練も乗り越えた。
「どんな場所でも、一番に駆けつけて、命を救いたい」と、准看護師や救命士の資格を取り、レンジャーやパラシュート部隊にも志願した。
初めての災害救助派遣は2011年3月に起きた東日本大震災の被災地・福島県相馬市。発生1か月後、民家を回って高齢者の体調を確認し、行方不明者を捜索した。
訪問では、できる限り冗談を交えながら、話に耳を傾けるよう心がけた。「被災地を元通りに戻すのは難しい」と無力感を感じながらも「自分ができることをするしかない」と励んだ。
これまでに取得した民間資格は外傷や適切な応急処置法についての3種類。「多くの人に知識が広まれば、もっと多くの命が救えるはず」と指導者向け講座も受けてインストラクターの資格も取得。休日には講習会で指導役を務める。教材には載っていないケースも想定させ、受講者に考えさせることを心がけている。
「阪神大震災をきっかけに天職に巡り合うことができた。だれかの命を救う仕事が憧れだった。これからも、日々小さな努力を積み重ねていきたい」
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