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菜食兼美 素朴な四季…田舎ずし
<四国の味 知っていますか?>
- 彩りが美しい田舎ずし。高知の食材がふんだんに使われている
-
ユズが香る甘酸っぱい酢飯に、地元産のミョウガやコンニャク、旬の菜の花など色とりどりのネタがのっかる。ほおばると素朴な味わいが口にじわりと広がった。
- ミョウガやシイタケなど地元の味が詰まった食材で田舎ずしを握る川西さん(高知市で)
太平洋に面する高知といえば魚のイメージが強いが、少なくとも江戸時代には食べられていたとみられる。当時、山間部では新鮮な魚は手に入らず、郷土料理に詳しい高知県立大健康栄養学部助手の彼末富貴(かのすえふき)さん(54)は「山菜で『すし』を楽しんだのではないか」と推測する。
「田舎ずし」の名が付いたのは1986年、食糧庁の「ふるさとおにぎり百選」に選定されてからだそうだ。
「特別な日だけやのうて、昔から食卓にあがる料理。家庭によって味が違うきね」。高知市神田の居酒屋「かわにし」の川西ひとみさん(59)に、手ほどきを受けた。
まずは買い出し。市中心部で毎週開かれる木曜市で、食材を選ぶ。
「香りが強い干しシイタケより、生の方がユズが引き立つよ」「ゴマを忘れたらあかんで」。田舎ずし作りに初挑戦することを伝えると、店のおばちゃんたちが次々とコツを伝授してくれた。
いざ、調理。川西さんに教わりながら、炊きたてのご飯に酢と甘酸っぱいユズ酢などを混ぜ、ゴマとみじん切りにしたショウガをたっぷり入れる。江戸前のさっぱりしたすし飯より、存在感は抜群だ。
シイタケは柄を落とし、コンニャクは袋状に切って甘辛く煮る。湯通しした菜の花とミョウガを甘酢に漬けると、菜の花の緑が際立ち、ミョウガは赤く色づいた。
シイタケとミョウガは一口大に握ったすし飯にのせ、菜の花は細く切ったのりで巻く。ミョウガの赤、菜の花の緑、シイタケの茶……。皿に並んだ具材の彩りが美しい。
「みんな高知の特産品。古里の魅力がいっぱい詰まってる」。川西さんの言葉に、地元の食材で四季を味わえる家庭料理への誇りを感じた。
◇簡単レシピ
具材 コンニャク1枚、シイタケ10本、ミョウガ10個、菜の花1/4束
〈1〉縦半分に切ったミョウガと菜の花をさっと湯がき、振り塩をして甘酢に浸す
〈2〉シイタケ、袋状に切り込みを入れたコンニャクは、だし汁に砂糖大さじ2、しょうゆ大さじ1と1/2を入れて煮込む
〈3〉だし用昆布を入れて炊いたご飯(4合)に米酢80ミリ・リットル、砂糖100グラム、塩20グラム、適量のユズ酢を混ぜる。いりゴマとみじん切りにしたショウガをたっぷり加えるのがポイント
〈4〉すし飯を一口大に握り、具材をのせる
◇豆知識
ネタは様々だ。高知県内の収穫量が全国の約8割を占めるミョウガのほか、タケノコやゼンマイ、イタドリなど山の幸が使われ、「山菜ずし」とも呼ばれる。ハス芋の茎で、シャキッとした歯ごたえの「リュウキュウ」、ウリの一種「チャーテ」といった高知独特の食材もある。
◇後記
高知に赴任した昨年、初めてのよさこい祭りで一緒に踊った「高知のお母さん」に教えてもらいました。身近な食材を生かしたネタには、伝統と工夫を感じます。お世話になっている地元の人たちにお裾分けすると、「これで、いごっそうの胃袋はぎっちりつかめるがよ」。田舎ずしの人気を実感しました。(山田絵里子)
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- ミョウガやシイタケなど地元の味が詰まった食材で田舎ずしを握る川西さん(高知市で)