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水害 最後の仮設退去 田辺・伏菟野2世帯
◇「明かり見えた」
2011年9月の紀伊水害後、仮設住宅での生活を続けていた田辺市伏菟野(ふどの)地区の2世帯が新しい住宅を建設し、7日、引っ越し作業を始めた。今月末までに作業を終え、仮設住宅の鍵を県に返還して退去する予定。水害から3年半を経て、県内の仮設入居者は2世帯を最後にゼロとなる。
同地区では、土砂崩れで住宅6棟が押しつぶされ、5人が亡くなった。同年10月末、空き地に県が建てた応急の仮設住宅に5世帯21人が入居。紀伊水害では県全体で計39世帯89人が応急仮設住宅での生活を余儀なくされたが、ほとんどは入居期限の13年秋までに退去した。
しかし、同地区の農業打越章介さん(66)と、無職真砂恵一さん(65)の2世帯7人は、元の場所での住宅再建を目指し、入居期限が今月末に延長されていた。
土砂崩れ現場では、地滑り防止の工事が進み、住宅や畑があった場所は平地に整備。昨年秋に建設が始まった2世帯の住宅はこのほど、ほぼ完成した。
この日、打越さんは台所などの生活用品を中心に、真新しい住宅に運び込み、「早く仮設を出て、落ち着きたかった。トンネルを抜け出し、明かりが見えた気分だ」と感無量の様子。
真砂さんは高齢の両親を新居に移した後、冷蔵庫などを運び込んだ。「家を建て直すとは思ってもいなかったが、前向きに生きていきたい」と話した。
引っ越しは、同地区の谷口順一区長(65)らが協力。谷口区長は「大きな節目を迎え、住民にとっても大きな喜び。でも、本当の復興はこれからだ」と話していた。
県は2世帯の引っ越しが完了した後、仮設住宅の撤去作業に入る。地区では今月末、復旧工事現場の入り口に建てる「復興記念碑」の除幕式を予定している。