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<JR脱線事故>控訴棄却、天仰ぐ遺族
JR福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本の井手正敬(まさたか)・元社長(79)ら、歴代3社長への控訴が棄却された27日、大阪高裁に駆け付けた遺族らは判決に肩を落とし、「責任は誰が取るのか」と不満と怒りをあらわにした。
- 判決を聞く遺族ら(イラスト・構成 竹本佐治)
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大阪高裁には約20人の遺族らが詰めかけた。傍聴席では終始緊張した面持ちで判決に耳を傾け、控訴棄却が言い渡されると、険しい表情を見せたり、天を仰いだりした。
判決後、遺族、負傷者からは、不満の声が相次いだ。
長女容子さん(当時21歳)を亡くした奥村恒夫さん(67)(三田市)は記者会見に出席。判決について、「『なんでや』と言う気持ち。納得できない。トップに責任を問えないのなら、会社に責任を問う組織罰が必要ということなのだろう」と話し、指定弁護士に「必ず上告してほしい」と求めた。
一方、3両目に乗っていて重傷を負った増田和代さん(45)(伊丹市)は「がくぜんとして体の力が抜けた。JRが安全を徹底していれば事故は起きなかったのに」と述べ、「このままでは事故を受け入れられず、完全に前を向いて歩いてはいけない」と憤った。
長男貴隆さん(当時33歳)を亡くした大前清人さん(73)(伊丹市)は、貴隆さんの腕時計を身に着け、傍聴席で判決に臨んだ。「あらかじめ想像はしていたが、やはりこういう判断なんだな、という思い」と落胆の表情を浮かべた。
2010年12月の山崎正夫・元社長の初公判から、「息子に全て報告するのが親の務め」と、ほぼ毎回、傍聴のために裁判所に足を運んだ。元社長3人の1審の公判では、法廷で意見陳述。事故翌日、遺体安置所で変わり果てた貴隆さんに向き合って以来、妻も自分も体調不良に苦しんでいると明かし、「親より先に息子を亡くす悲しさ、苦しさが分かりますか」と訴えた。
今回の判決に、「息子は『長い間ありがとうな。もう、ええよ』と言ってくれる気がするが……」と述べ、「これだけの事故を起こして誰も責任を取らないのは納得ができない。息子のためにも、これから何ができるか考えたい」と話した。
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