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ふるさと納税で入手困難な日本酒「獺祭」贈る市
山口県岩国市は新年度から、ふるさと納税制度で10万円以上を寄付した人に、同市の旭酒造が生産し、全国的な知名度を誇る日本酒「獺祭(だっさい)」を贈る。
人気の高まりで生産が追いつかず、入手が難しいといわれる名酒をお礼の品に加えることで、寄付額を伸ばすとともに「酒どころ岩国」のPRにもつなげる狙いだ。
ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付すると個人住民税などの一部が控除される制度。同市はこれまで1万円以上の寄付者に対し、18品目の地元特産品(3000円相当)の中から希望の品を贈っていた。
寄付者から「高額寄付へのお礼の品を設けてほしい」との声が多数寄せられていたことから、プレミアム商品の導入を検討。全国的に人気の品や、10万円以上を寄付してでも受け取りたい品などを基準に選び、特に寄付者から要望の多かった獺祭に決めた。
プレミアム商品の第1号は、獺祭の中でも最高級の純米大吟醸酒「獺祭 磨き その先へ」(720ミリ・リットル、3万2400円)。10万円以上を寄付した市外在住の人が対象で、120件分を用意した。獺祭は若者や女性など幅広い層に人気で品薄状態のため、注文してから手元に届くまで2か月待ちの状態という。
31日に定例記者会見で発表した福田良彦市長は「10万円以上寄付しても受け取りたいと思ってもらえる品を選んだ。今後も市内の企業からプレミアム商品を募り、充実させていきたい」と話した。
市市民協働推進課によると、同市のふるさと納税の件数と額は2008年度が6件34万円だったが、1万円以上の寄付者にお礼の品を贈り始めた13年度は43件約133万円に増え、14年度は466件約651万円となっている。
県内では、下関市が14年6月から3万円以上の寄付者に「トラフグ刺し・ちりセット」などを贈っているほか、山口市は新年度からお礼の品をこれまでの11品目から96品目に増やすなど、寄付額を増やすための取り組みが活発化している。(牟田口洸介)