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家族会の不満「限界に」 首相、面会で不安払拭図る
北朝鮮が日本人拉致問題に前向きな動きを見せない中、拉致被害者家族会の一部には安倍晋三首相への不満も漏れる。首相が3日、家族会と面会したのは、官邸と家族会との亀裂が生じることを避けるためでもあった。国内の足並みの乱れは北朝鮮の思うつぼになりかねない。
◆座り込みの計画も
北朝鮮は2日、日朝交渉中断の意向を日本側に通知してきた。家族会の不安をあおり、首相側との分断を狙う宣伝工作であることは明白だった。首相は3日、家族会のメンバーを前に「一刻の猶予も許さないとの思いで交渉にあたっていく」と強調、「それぞれの思いを伝えていただきたい」と呼びかけた。
家族会の一人は3月上旬、自民党中堅議員に電話し、「官邸前で座り込みをしようと思います」と述べ、日朝交渉の成果がないとして官邸前で座り込みのデモを計画していることを伝えた。中堅議員の説得によりデモは見送られたが、中堅議員は「家族会の一部が抱える政府への不満は限界に来ている」と語る。
今回の面会にあたり、政府内には当初「成果がない段階で面会すれば、首相が家族会から突き上げられるだけの場になる」と慎重な声もあった。しかし、面会拒否となれば家族会の不満は増し、結果として北朝鮮を利する形になる。首相は面会に応じ、不安払拭を図ることを選択した。
◆強い姿勢アピール
首相には、したたかな計算もあった。政府は3月31日の閣議で、日本独自の対北朝鮮制裁措置を2年間延長することを決定。同月26日には、京都府警などの合同捜査本部が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長宅などを家宅捜索した。政府関係者は「首相は強い姿勢をアピールできるタイミングで面会に応じた」と明かす。
首相との面会を終えた家族会からは「失望感を拭い去るものはなかった」という厳しい声も出たが、家族会の一人はこう言い残し、官邸を後にした。
「とにかく首相に会うことが大事だ。結局、私たちは首相にすがるしかない」(石鍋圭)