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<カメラマン>横田夫妻の命がけの姿 めぐみさんに見せたい
◇見守り続け、撮影10年の田辺信道さん
北朝鮮による拉致被害者のシンボル的存在である横田めぐみさん(行方不明時13歳)の父滋さん(82)と母早紀江さん(79)夫妻の表情をこの10年間、いつも少し離れた場所から見守るように撮影し続ける男性がいる。田辺信道さん(62)。昨年7月に始まった拉致問題の再調査に進展が見えない中、「めぐみさんが帰ってきた時に、命がけで闘ってきた両親の姿を見せてあげたい」とビデオカメラを回し続ける。【斎川瞳】
本業は録音家で映画プロデューサー。自身が録音、プロデューサーを務めたドキュメンタリー映画「わたしの季節」で2004年毎日映画コンクール記録文化映画賞(長編)も受賞している。
夫妻との出会いは05年10月。友人から、めぐみさんの写真展で流すスライド映像の製作を依頼された。写真展の控室で何気なくカメラを回していたら、早紀江さんが「たくさんの方に写真や映像を撮ってもらうけど、手元には自分たちの画像があまりないの」とこぼしたという。
「めぐみさんのために、2人の姿を記録させてほしい」。田辺さんの申し出に、夫妻は照れながらも了承してくれたという。以来、仕事の合間を縫っては各地の講演会や署名活動に同行してきた。
10年間で収録したテープは2万時間を超える。街頭で必死に救出を訴える様子や多くのメディアに囲まれ取材を受ける姿、疲れ果てた末の新幹線でのうたた寝、めぐみさんとの思い出を笑顔で語る様子など、さまざまな表情が収められている。
「めぐみさんが帰るまで、元気でいてもらわないと」。田辺さんはその一心で、高齢となった夫妻に寄り添い続ける。講演会の途中、滋さんが手洗いで席を離れる際はカメラを止めて付き添う。早紀江さんの表情や声から変化を感じ取り、体調に気を配る。
昨秋、滋さんは自宅近くで転倒、顔などに軽傷を負った。それを契機に夫妻は講演活動を一時休止し、体調面から活動をセーブしている。そのため、各地の集会などで放映するための夫妻のメッセージ映像も製作した。夫妻は「いつもそばで支えてくれて、一緒に闘ってくれる大切な存在」と語る。
間近で見続ける田辺さんの目に、夫妻の体力は確実に衰えつつあるという。「苦しみは想像を絶し、体力的にももう限界。一日も早く拉致問題を解決してほしい」。その上で願う。「めぐみさんと抱き合う姿を一日も早く見たい。10年分のテープを見せ、『お父さんとお母さんは、いつもめぐみさんを思い、愛し続けていたよ』って伝えてあげたい」