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<下水処理>バイオガスのエネルギー抽出 横浜市が共同研究

 <下水処理>バイオガスのエネルギー抽出 横浜市が共同研究

 横浜市は民間企業と連携し、下水の汚泥処理過程で発生するバイオガスから、水素や電気など多様なエネルギーを取り出すための官民連携の研究会を発足させる。バイオガスから生まれたエネルギーを燃料電池車や電気自動車に供給する「地産地消」のシステムを構築する狙い。東京ガス(東京都)と三菱日立パワーシステムズ(横浜市西区)が参加し、将来の実用化を目指す。
 
  市下水道事業推進課によると、下水処理で発生した汚泥を微生物で分解すると、バイオガスが発生する。バイオガスはメタンが約6割、二酸化炭素が約4割で構成される。
 
  北部汚泥資源化センター(鶴見区)と南部汚泥資源化センター(金沢区)では、全国の自治体で最多の1日計約8万立方メートルのバイオガスが発生する。現在は焼却炉の補助燃料やガス発電に利用されており、発電量は約1万2000世帯の1日の消費電力に相当するという。
 
  市は2013年5月からバイオガスの精製について、東京ガスと共同研究を開始。特殊な膜を使って二酸化炭素を分離する方法で、メタン濃度を98%まで高め、一般で使う都市ガスと同程度の熱量を得られるようになったという。
 
  研究会ではこの精製技術に、世界最高効率の業務用燃料電池の開発に取り組む三菱日立パワーシステムズなどの技術を組み合わせる予定だ。精製したガスを燃料電池の燃料とし、水素や熱、電気を生み出す新たな技術の確立を目指す。
 
  バイオガスの有効利用は国も後押ししており、市は研究会を通じて他自治体への普及や他の企業の参加も呼び掛ける考え。市下水道事業推進課の担当者は「20年の東京五輪を見据え、官民連携の成功モデルとしたい」と話している。【飯田憲】

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