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期限切れの契約や労使協定のチェックを――3月の事務ごよみ【総務・法務】
社員の身分証明書や会社事務所の賃貸借契約など、年度末が期限切れのものがあれば、必要に応じて更新や期限延長など所定の手続きをします。法定保存年限の定めのある帳票や、自社で保存年限を決めている文書類についても確認しましょう。
●期限切れの契約・文書などのチェック・更新
社員の身分証明書、郵便料金の受取人払い・後納手続き、会社事務所・借上社宅の賃貸借契約などで、年度末が期限切れになっているものがあれば、必要に応じて更新や期限延長など、所定の手続きをします。
法定保存年限の定めのある帳票や、保存義務がなくとも自社で保存年限を定めている文書類についても確認しましょう。
●労使協定のチェック・更新
「36協定」など有効期間の定めのある労使協定について、法定どおりに整備されているかをチェックします。更新や労働基準監督署への届出が必要なものは、所定の手続きを行います。
●新事業年度の業務計画の確認
新事業年度の経営計画を受けて、総務部門でも社内行事・事務、法定事務などの業務計画をより細かく確認していきましょう。
●防火体制のチェック
3月1日~7日は春の全国火災予防運動が実施されます(気候等により、日程をずらす地域もあります)。
今回の全国統一防火標語は「もういいかい 火を消すまでは まあだだよ」。この運動を機に、防火・防災訓練を実施したり、非常口・階段、避難経路、消火器や消火栓の配置状況などを確認しておきましょう。
なお、消防法の改正により、4月1日から消防用設備等の基準が変わります。高齢者や障害者向け施設、共同住宅など一定の建物のうち、スプリンクラー設備を設置しなければならない対象が拡大されました。
該当する建物を維持・管理している場合は、防火・防災管理体制について再確認しておきましょう。
●備品や事務機器の補充・廃棄
4月に新入社員を迎える企業では、事務機器や備品、制服・作業服などの手配状況をチェックします。
また、年度替わりに事務機器等の更新を行っている企業では、交換する機器、廃棄や入替えの手順などについて関係部署と協議し、スムーズに更新できるようにします。
●各種社内規程の見直し
年度ごとに業務に関する各種規程を見直す企業では、改定の必要性、金額、対象・範囲、制度の内容などを精査して、3月初旬には原案を作成しましょう。その案をもとに経営者や経営幹部の意見をとりまとめ、必要に応じて社員へのヒアリング等をしたうえで、最終的な形にまとめます。
[企業実務]
(本記事は企業実務のコンテンツ「事務ごよみ」から一部抜粋・編集して掲載しています)会計処理をする上で、ちゃんと理解せずに使っている「勘定科目」。先輩ライターから「とりあえず費用の相手科目は事業主借勘定にしてしまえば楽だよ」と聞いたのですが、これって何か問題があるのでしょうか? 教えて、木村先生!
●事業主勘定を使い、個人の現金で事業のものを買ったらダメなの?
――「事業の財布と個人の財布の2つを持て」とは言われていますが、やっぱり面倒くさくて……。個人の財布から事業用の小物を購入して、相手科目を事業主勘定として処理しているのですが、これってやらないほうがいいのでしょうか?
木村先生: 宮田さんはフリーランスのライターですよね。もしも飲食店や物販など実際にご商売で現金を扱っている場合ならアウトですが、1カ月に10~20程度の取引明細しか登録しないのならば事業主勘定を使っても問題はないでしょう。
――そうですか。ホッとしました。
木村先生: 例えば、水道光熱費を個人の現金で払った場合は、
水道光熱費 1000円/事業主借 1000円
という仕訳を推奨する税理士もいますよ。複式簿記としては正しい処理ですが、落とし穴もあります。
――落とし穴ですか?
木村先生: 例えば、事業の現金や預金を通さずに事業主借で処理すると、1つの費用に対して二重に計上してしまうリスクがあります。ちゃんと現金や預金を通して費用に計上すれば、残高確認をすることでダブリのチェックがしやすいのですよ。だから、出金取引については「請求書からは入力しない」「必ず領収証をもらい、それを基に入力する」「入力した領収書には済マークをつける」など二重計上を防ぐルールを工夫するようにしましょう。
――なるほど。
木村先生: 事業主借で出金取引処理した場合に便利なのは、現金の赤残(あかざん)を気にする必要がないってことね。
――赤残って何ですか?
木村先生: 残高が赤字になっていることですよ。そもそも資産勘定である現金がマイナスになることはあり得ません。もしも「○○費 ×××円 /現金 ×××円」と処理していって現金が赤残になっているならば、それは事業主が立て替えているということ。青色決算書が現金赤残のままだと、「お、素人が作ったな」と税務署に目をつけられるかも!?
――確かに事業主借相手に会計処理をしていれば、帳簿上の現金残高を気にする必要はないですね。
木村先生: ですから逆に現金勘定で費用処理をしている人は、残高が合っているか、残高がゼロを切っていないか、入力する都度確認しましょう。…