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<東洋ゴム免震不正>「性善説」背景に 認定審査、書類だけ
東洋ゴム工業(大阪市)と子会社の免震装置性能改ざん問題は、これまで明らかになった全国55棟以外にも、対象物件が広がる恐れが出てきた。「55棟の安全性が確認されつつあり、解決への道筋が見えてくると思っていたところだったので、腰が抜けた。腹立たしい思いだ」。改ざんされた免震装置を使った物件が増える可能性があるという東洋ゴムの新たな報告を受け、国土交通省の担当者は突き放すように語った。
【図説】免震ゴムの認定の流れ
改ざんはなぜ見抜けなかったのか。国の認定を受けるための審査が、書類だけで行われるという「性善説」に立っていることが背景にある。
免震装置を建物に設置するには、国交相の認定を受ける必要がある。満たさなければならない基準性能を国が定めているわけではなく、メーカーが自ら性能を申告し、国がお墨付きを与える形だ。
審査は2段階。技術的な審査は、国交省が認証した民間の「指定性能評価機関」が担当する。建築に関わる認定申請は年間約4000件に上り、国交省では直接審査しきれないためだ。東洋ゴムの製品評価は、日本免震構造協会などが行った。
同協会によると、メーカーはまず、「どれだけ揺れを小さくできるか」などを示す性能データを協会に提出。協会は専門家5人の委員会を開く。委員はメーカーから説明を受け、データの基礎となる実験の方法などを質問する。審査は30分~1時間程度。同協会の沢田研自専務理事は「単純なミスやデータ不足なら指摘できるが、偽装は見抜けない」と話す。
メーカーは、性能評価機関から交付される評価書を添えて国交省に大臣認定を申請する。同省の審査で行われるのは、主に書類に不備がないかという確認作業。認定は審査開始から数カ月で出る。担当者は「申請を受けて認定しないことは基本的にない。メーカーの倫理に頼っていると言われれば、その通りかもしれない」と認める。
国交省は、問題発覚を契機とする点検項目に、性能評価や認定プロセスを挙げ、見直しを含めて検討中だ。太田昭宏国交相は「これまで大臣認定は、試験データが正しいという前提でやってきた。(国が)どういう形でチェックするか、工夫しなければいけない」と話している。
沢田専務理事は「社内チェックが有効に機能しているか、定期的に体制を検査するといったことは有効ではないか」と提案する。