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独旅客機墜落 急降下「惨劇への8分間」 3つのなぜ 事故原因究明始まる
【ロンドン=内藤泰朗】ドイツの格安航空会社「ジャーマンウィングス」のエアバスA320型機(乗員乗客150人)がフランス南東部のアルプス山中に墜落した事故で、現場から回収された墜落機のブラックボックスの解析を中心に、事故原因の究明作業が始まった。同機が突然、急降下を始め、山肌に激突するまでわずか約8分間。何が惨劇を招いたのか。
■安全高度から急降下
ジャーマンウイングスによると、墜落機は24日午前10時1分(日本時間同日午後6時1分)、スペインのバルセロナからドイツのデュッセルドルフに向けて離陸し、10時45分には、約1万1500メートルの正規の高度に達した。
しかし、間もなく急降下が始まり、8分程度降下した後、10時53分にレーダーから突然姿を消した。飛行方向は一直線で、降下速度も一定だった。最後に位置が記録されたのは、激突した山の標高と同じ高度約2000メートルだった。
航空専門家は、飛行が安定して「最も安全」とされる高度から急降下を始めたことから、何らかの原因で機内が減圧し、呼吸ができる高度に降下しようとしたとの見方を示す。現場付近は曇っていたが、強風など気象上の問題はなかったという。
■救難信号はなし
しかし、英BBC放送によると、同機は緊急事態が発生して急降下する間、機長らはSOS(救難信号)を発信していなかった。緊急着陸地を探した形跡もなかったという。
専門家は「操縦士は緊急事態の中で、機体の操縦を優先するよう教育されている。緊急事態への対処で無線連絡を取れない事態もある」と指摘。一方で、爆発や火災、急な減圧などが原因で機長らが操縦できる状態になく、機体が自動操縦で急降下した可能性も排除できないと語った。
これらの謎の解明は、フランスでのブラックボックスの飛行記録の解析を待つことになる。
■「最も安全な機種」
墜落したエアバスA320は、航空関係者から「最も信頼され、安全な航空機」(BBC)とされ、「世界中で2分間に1機が発着する」ほど、世界の航空会社に大量に導入されている人気の高い機種だ。
しかし、昨年12月、ジャワ海に墜落したエアアジア機が同じ機種だったほか、今回の事故を含め、A320は過去に11件の死亡事故を起こしている。
さらに、同機と同じ飛行高度を自動で制御するシステムを搭載したエアバス機が昨年11月、システムの誤作動で機体が急降下するトラブルを起こし、操縦手順の見直しが行われた。A320の“安全神話”は今後、揺らぐ可能性もある。