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【考古学/鉱物学】小松の「碧玉」 弥生日本彩る 出土品調査で一大産地可能性

【考古学/鉱物学】小松の「碧玉」 弥生日本彩る 出土品調査で一大産地可能性

【考古学/鉱物学】小松の「碧玉」 弥生日本彩る 出土品調査で一大産地可能性

小松の「碧玉」 弥生日本彩る 出土品調査で一大産地可能性:北陸発:北陸中日新聞から:中日新聞(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2015032702100012.html

http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/images/PK2015032702100115_size0.jpg
(上)石川県小松市菩提町で住民が採取した碧玉 (下)八日市地方遺跡から出土した管玉をつなぎ合わせた首飾り
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/images/PK2015032702100116_size0.jpg

 弥生時代に石川県小松市の菩提(ぼだい)、那谷、滝ケ原各町周辺で産出した緑色の鉱物「碧玉(へきぎょく)」が、西日本を中心に各地に流通し、装飾品の「管玉(くだたま)」の材料に
使われていた可能性が高いことが、遺物材料研究所(大阪府泉佐野市)の藁科哲男所長(72)らの研究で分かってきた。小松から関西や山陰方面に送られ製品化されたとみられ、古代日本の
玉造りの一大原産地としての姿が浮かぶ。 (浜崎陽介)

 藁科所長は約四十年間、京都大原子炉実験所で、石の産地や成分を調査してきたが、全国各地の遺跡から出土した管玉や碧玉のうち、「女代(めしろ)南B遺物群」と呼ばれる遺物については
長い間産地が分からなかった。

 二〇〇四年ごろからの継続調査で、岩石の成分組成や含有イオンを調べる分析方法から、菩提周辺で採取された碧玉の一部と、女代南B群の成分が一致することを発見。約四百種類に上る
全国の女代南B群以外の碧玉の成分データとも合わないため、「女代南B群は菩提周辺が原産地とみて間違いない」とみている。

 さらに鳥取県埋蔵文化財センターの河合章行(のりゆき)文化財主事(36)らが、古代最大級の加工地だった鳥取市の青谷上寺地遺跡から出土した六つの制作途中の碧玉断片を調査。
女代南B群や菩提など異なる遺物群に属すると思われたものが、パズルのように組み合わさり、元は一つの石だったことを突き止めた。河合さんは「考古学的な裏付けになった」と強調する。

 小松市埋蔵文化財センターによると、市内の八日市地方遺跡からは管玉や制作途中のものを含め碧玉が五百キロ以上、管玉の加工に使ったとみられる道具類が約一万点も出土している。

 同センターの宮田明主幹(43)は「女代南B群と菩提産の碧玉を同一とする調査結果が出たということは、小松産の碧玉が首飾りなどの材料として大きなシェアを持っていたということ。出雲
(島根県)の玉造りなどと並び、弥生文化の中で大きな役割を果たしていたといえる」と話している。

【女代南B遺物群】 兵庫県豊岡市の女代神社南遺跡から出土している産地不明の碧玉や管玉、および成分が一致する各地の遺跡で見つかった遺物群の総称。関西や山陰の遺跡を中心に
全国から成分が一致する碧玉が数多く見つかっており、遠く北海道や九州まで広がっている。

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